パソコンで大切なデータを誤って削除してしまった場合、無料で利用できるデータ復元ソフト「Recuva」を使えば、復元できる可能性があります。

ただし、適切な手順を踏まなければ、データが上書きされて復元できなくなるリスクもあります。本記事では、Recuvaの使い方や成功率を高める方法、注意点について詳しく解説します。

Recuvaの基本的な復元手順

Recuvaを使用する際は、誤った手順を避けることが重要です。以下の手順に従って、安全にデータを復元しましょう。

Recuvaをダウンロード・インストールする

Recuvaを使用するには、まずソフトをダウンロードし、インストールする必要があります。以下の手順に沿って作業を進めましょう。

誤って削除したデータがあるドライブにRecuvaをインストールすると、データが上書きされて復元が難しくなるため注意してください。

スキャン設定を行う

Recuvaには、通常の「クイックスキャン」と、より深くデータを探す「ディープスキャン」があります。復元成功率を高めるため、状況に応じて適切なスキャン方法を選びましょう。

ディープスキャンはHDDやUSBメモリなどでは効果的ですが、SSDでは「TRIM機能」によりデータが即時削除されるため、成功率が大幅に低下します。

データを復元する

スキャンが完了すると、復元可能なファイルが一覧表示されます。データの状態に応じて、復元の可否を判断しましょう。

復元ファイルを元のドライブに保存すると、別の削除データと上書きされるリスクがあるため、必ず別の保存先を指定しましょう。

Recuvaで復元できない場合の対処法

Recuvaでデータの復元ができなかった場合、以下の原因が考えられます。

このような場合、Recuvaでは復元が困難です。では、なぜ他の方法を試す必要があるのでしょうか？

削除データの上書きが原因の場合

ファイルを削除すると、OSはそのデータを完全に消去するのではなく、ファイルシステム上で「空き領域」としてマークします。この状態であれば、Recuvaなどの復元ソフトを使うことでデータを取り戻せる可能性があります。

しかし、新しいデータが書き込まれると元のデータは上書きされ、復元が不可能になります。特に、以下のような操作を行った場合は、上書きのリスクが高くなります。

• 削除したドライブに新しいファイルを保存する
• 復元ソフトを削除したドライブにインストールする
• OSのアップデートやディスクの最適化を実行する

このような状況では、Recuva以外のより高度なスキャン機能を持つ復元ソフトを試すか、データ復旧の専門業者に相談する必要があります。

SSDのTRIM機能によるデータ消去が原因の場合

HDDと異なり、SSDには「TRIM」機能があり、ファイルを削除すると即座にデータ領域がクリアされる仕組みになっています。これにより、SSDではデータが上書きされる前でも復元が困難になります。

TRIM機能が有効なSSDでは、Recuvaを含む一般的な復元ソフトではデータを復旧できません。そのため、SSDのデータ復旧には、専門的な設備と技術が必要になります。

ディスクの物理的な故障が原因の場合

HDDやSSDが物理的に損傷している場合、Recuvaのようなソフトウェアを使用しても復元できません。物理障害の主な症状には以下のようなものがあります。

• HDDから異音がする（カチカチ・コトコト音） – 磁気ヘッドの故障の可能性
• ドライブが認識されない – 基板故障やコネクタの問題
• デバイスが異常に遅い、頻繁にフリーズする – 不良セクタの増加

 

このような物理障害が疑われる場合、自己修復を試みると状況が悪化する可能性が高いため、速やかにデータ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。

Recuvaは簡単に使える無料ソフトですが、成功率には限界があります。特に、物理障害やSSDのTRIM機能による削除には対応できません。確実にデータを復旧したい場合は、専門業者への相談が最善の選択肢です。

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