パソコンの電源を入れた際に赤いランプが点灯し、正常に起動しない場合、内部のハードウェアに問題が発生している可能性があります。特に、CPUやメモリ、グラフィックカード、電源システム、過熱などが主な原因として考えられます。
赤いランプの点滅回数やパターンによって、どの部品に問題があるのかを特定できることもあります。この記事では、原因ごとの詳細な説明と適切な対処法を解説します。
目次
パソコンの赤いランプが点灯して起動しない主な原因
赤いランプの点灯は、パソコンが正常に動作できないことを示す警告サインです。
以下の原因が考えられます。
CPUの問題
CPU（中央処理装置）が適切に取り付けられていない、または故障している場合、パソコンは起動できません。
また、CPUの冷却ファンが機能していないと、温度が異常に上昇し、保護機能が働いて電源が入らないことがあります。
メモリの不具合
メモリ（RAM）が正しく取り付けられていない、または故障していると、パソコンは正常に起動しません。
メモリの接触不良や、複数枚のメモリの組み合わせによって発生する問題も考えられます。
グラフィックカードの問題
デスクトップPCの場合、グラフィックカード（GPU）が正しく動作していないと、画面に何も映らず、赤いランプが点灯することがあります。
特に、電力供給が不足している場合や、GPUが熱暴走している場合にこの問題が発生しやすくなります。
電源システムの異常
パソコンの電源ユニットやマザーボードに問題があると、電力が正常に供給されず、赤いランプが点灯して起動しないことがあります。
また、内部のコンデンサが劣化している場合も、電源供給に問題が生じることがあります。
過熱
パソコン内部が高温になると、セーフティ機能が働き、電源が入らないことがあります。
特に、冷却ファンの故障や埃の蓄積によって冷却機能が低下している場合に発生しやすくなります。
トラブルは見た目では判別しにくく、誤った対処を行うと症状が悪化する可能性
パソコンの赤いランプが点灯して起動しない場合、その原因を特定するのは容易ではありません。CPUの異常、メモリの不具合、グラフィックカードの問題、電源システムの障害、過熱など、さまざまな要因が考えられます。しかし、これらのトラブルは見た目では判別しにくく、誤った対処を行うと症状が悪化する可能性があります。
例えば、メモリが緩んでいるだけなら再装着で解決しますが、電源ユニットやマザーボードの故障が原因だった場合、通電を続けることで部品の焼損やデータ消失につながることもあります。また、赤いランプの点滅パターンによって異常箇所を特定できるケースもありますが、メーカーごとに異なるため、正確な診断が必要です。
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パソコンの赤いランプが点灯して起動しない場合の対処法
問題の原因に応じて、以下の方法を順番に試してください。
特にハードウェア関連のトラブルの場合、無理に操作すると症状が悪化する可能性があるため、慎重に対処しましょう。
CPUの確認と再装着
CPUが正しく取り付けられていない、または接触不良を起こしていると、パソコンが正常に起動せず、赤いランプが点灯することがあります。
CPUを取り外して再装着することで、問題が解決する場合があります。
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く。
- ケースを開け、CPUクーラーを取り外す。
- CPUのロックレバーを解除し、CPUを慎重に取り外す。
- CPUのピンに折れや汚れがないか確認し、問題がなければ再装着する。
- CPUクーラーを取り付け、ケースを閉じて電源を入れる。
メモリの確認
メモリ（RAM）が正しく装着されていないと、赤いランプが点灯し、起動しないことがあります。
メモリの取り外し・再装着を行い、接触不良を解消しましょう。
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く。
- ケースを開け、メモリスロットを確認する。
- メモリを両側のロックレバーを押して取り外す。
- 接点部分をエアダスターで掃除し、正しい向きで再装着する。
- しっかり固定されたことを確認し、電源を入れる。
放電を行う
静電気の影響でパソコンが起動しないことがあります。
放電処理を行うことで、正常に動作する可能性があります。
- 電源ケーブルと周辺機器をすべて取り外す。
- ノートパソコンの場合は、バッテリーを取り外す。
- 電源ボタンを30秒以上押し続ける。
- 1時間以上放置し、静電気を放出する。
- 電源ケーブルとバッテリーを接続し、電源を入れる。
過熱対策
パソコンが過熱すると、保護機能が働き、起動できなくなることがあります。
冷却ファンや通気口の掃除を行い、適切な温度環境を確保しましょう。
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く。
- ケースを開け、内部の埃をエアダスターで取り除く。
- 冷却ファンが正常に回転しているか確認する。
- CPUクーラーの熱伝導グリスが劣化している場合は、塗り直す。
- 適切な室温（10〜35℃）の環境で使用する。
BIOSの初期化
BIOSが誤った設定になっている場合、パソコンが起動できないことがあります。
BIOSのリセットを行い、デフォルト設定に戻しましょう。
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く。
- マザーボードの「CMOSクリアジャンパー」を探す。
- ジャンパーピンをショートさせて数秒待つ。
- BIOS設定がリセットされるので、再起動する。
- BIOS画面が表示されたら、「デフォルト設定をロード」し、保存して再起動する。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
