Windows10/11が起動しない場合、パソコン内部で何かしら不具合が起きていると考えられます。この時にむやみに復旧を試みると、逆に症状を悪化させる恐れもあります。
この記事ではWindows10/11が起動しない原因と対処法を解説します。「経年劣化が疑われる」「異音がする」などの場合、深刻な障害が発生している恐れも高いため、自力での操作は控え、専門業者まで対応を依頼することをおすすめします。
目次
Windows 10/11が起動しない原因
Windows 10/11が起動しない原因は次の通りです。
- 電源ランプが点かない
- 電源ランプが点灯・点滅するが、黒い画面で何も表示されない
- Windowsロゴでループする・エラーメッセージが表示される
電源ランプが点かない
この問題は、パソコン自体の電源が入らないことを示しています。この状況は、パソコンのハードウェアに関連する問題が原因となっている可能性が高いです。以下のような原因が特に考えられます。
- 電源ケーブルが外れている: 電源ケーブルが適切に接続されていない場合、パソコンは電源を得られずに起動できません。
- 電源ユニットの故障: 電源ユニットが故障していると、パソコンに電源が供給されず、結果として起動しない状況が生じます。
- マザーボードの故障: マザーボードが故障している場合、パソコンの全体的な動作に影響を及ぼし、起動しない問題を引き起こす可能性があります。
- バッテリーの劣化: バッテリーが劣化していると、パソコンに必要な電力が供給されず、起動しない可能性があります。
電源ランプが点灯・点滅するが、黒い画面で何も表示されない
電源は入るが画面に何も表示されない場合、主にディスプレイや内部ハードウェアに問題がある可能性が高いです。具体的には、以下の原因が考えられます。
- ディスプレイの接続不良: ディスプレイの接続が適切でない場合、電源は入るものの画面には何も表示されません。
- 内部ハードウェアの不具合: 内部ハードウェアに問題がある場合、パソコンは正常に動作せず、結果として画面に何も表示されない状況が生じます。
- グラフィックカードの故障: グラフィックカードが故障していると、画像が正常に表示されず、黒い画面のままになる可能性があります。
Windowsロゴでループする・エラーメッセージが表示される
Windowsが起動せずにロゴでループしたり、エラーメッセージが表示される場合、システムやハードウェアに問題がある可能性が高いです。具体的には、次の原因が考えられます。
- システムファイルの破損: システムファイルが破損していると、Windowsは正常に起動できず、ロゴでループするか、エラーメッセージが表示されます。
- ソフトウェアの問題: 一部のソフトウェアがWindowsの起動を妨げる問題を引き起こす場合があります。この場合、Windowsは正常に起動できず、エラーメッセージが表示されるか、ロゴでループします。
- ハードウェアの故障: ハードウェアが故障していると、Windowsは正常に動作せず、起動に失敗する可能性があります。
パソコンの電源が入らない・つかない原因や対処法は下記の記事で詳しく解説しています。
https://www.ino-inc.com/data_check/pc/res_30.php
Windows 10/11が起動しないときの解決方法
ここでは、Windows 10/11が起動しないときの具体的な解決方法を、順を追って詳細に説明します。
- 周辺機器を取り外して再起動する
- パソコンを初期状態(リカバリー)に戻す
- パソコン本体を放電させる
- BIOSを初期化する
- 自動修復機能を起動して各オプションを実行する
- システムの復元をする
- スタートアップ修復をする
ただし、ストレージに致命的な障害が起きている状態で何度も通電をおこなうと負荷がかかりやすく、症状悪化やデータ損失のリスクが伴います。
周辺機器を取り外して再起動する
まずは一番簡単な方法として、周辺機器をすべて取り外すことから始めましょう。最初に、USBメモリ、外付けHDD、プリンターなどの周辺機器をすべて取り外します。これらの機器が原因でWindowsが起動しないこともあります。
パソコンを初期状態(リカバリー)に戻す
もし周辺機器を取り外しても問題が解決しない場合は、パソコンを初期状態(リカバリー)に戻すことを試みます。ただし、初期化により、すべてのデータとアプリケーションが削除されます。パソコンが起動しないときに初期状態に戻す(リカバリーする)手順を以下に示します。
- 外付けストレージを準備する:USBメモリや外付けHDD、クラウドサービスなどを利用して重要なデータをバックアップします。
- リカバリーメディアの準備:リカバリーディスクやリカバリーユーティリティを用意します。ない場合は、別のPCでMicrosoft公式からOSのインストールメディアを作成します。
- BIOS設定の確認:パソコンの電源を入れ、起動時にF2、F12、DELキーなどを押してBIOS設定画面に入ります。「Boot」メニューでUSBドライブまたはDVDドライブを最初に起動する設定に変更します。
- リカバリーメディアから起動:リカバリーメディア(USBまたはDVD)を挿入し、パソコンを再起動します。
- Windowsインストール画面の指示に従う:インストール画面が表示されたら、「次へ」をクリックし、「今すぐインストール」を選択します。プロダクトキーの入力を求められた場合は、画面の指示に従います。
- インストールの種類を選択する:「カスタム: Windowsのみをインストール(詳細設定)」を選択します。
- インストール先のドライブを選択し、「次へ」をクリックします。
パソコン本体を放電させる
もし初期化を試しても問題が解決しない場合、パソコン本体を放電させてみてください。
- 電源ケーブルとバッテリーを取り外す: まず、電源ケーブルを取り外し、ノートパソコンの場合はバッテリーも取り外します。
- 数分間待つ: 次に、残留電荷を放散させるために5〜10分程度待ちます。
- 電源ケーブルとバッテリーを再接続: 待ち時間が経過したら、電源ケーブルとバッテリーを再接続し、再度電源を入れます。
BIOSを初期化する
パソコン本体の放電でも問題が解決しない場合は、BIOS設定の初期化を試みます。
- BIOS設定画面に入る: パソコンの電源を入れ、起動時にF2またはDELキーを押してBIOS設定画面に入ります。
- BIOS設定の初期化: BIOS設定画面で「Load Setup Defaults」または「Load Default Settings」を選択し、初期化を実行します。
- 変更を保存して再起動: 最後に、「Save and Exit」を選択し、変更を保存した後、再起動を行います。
セーフモードを利用して修復する
セーフモード(OSの機能を限定し、必要最小限のシステム環境でパソコンを起動する診断用モード)から起動することでトラブルを解決できる可能性があります。
① Windowsが正常に起動できない場合、スタートアップ修復(自動修復)が表示されます。しかし、スタートアップ修復でパソコンを修復できないと「詳細オプション」というボタンが表示されます。
➁ここから「詳細オプション」をクリックすると、「オプションの選択」という画面が表示されるので、このまま「トラブルシューティング」に進んでください。
③「トラブルシューティング」から「詳細オプション」に進みます。
④「詳細オプション」から「スタートアップ設定」に進みます。
⑤「スタートアップ設定」から「再起動」に進みます。
⑥キーボード上で「4」を選択し「4)セーフモードを有効にする」をクリックします。
再起動後、サインインするとパソコンはセーフモードに突入します。
更新プログラムをアンインストールする方法は次のとおりです。
- 「設定」から「更新とセキュリティ」に進む。
- 「更新の履歴を表示する」から「更新プログラムをアンインストールする」に進みます。
- アンインストールしたい更新プログラムを選択します。
しかし、セーフモードでも起動できない場合、致命的な障害が起きていると考えられます。このような場合、繰り返しセーフモードを起動しようとすると、パソコンに負荷がかかり、障害が進行する恐れがあります。
もしデータを優先する場合は、セーフモードでの起動に失敗した時点で専門の業者に相談しましょう。データ復旧業者では、修復ツールで対応できない問題でも対応することが可能です。
システムの復元をする
システムの復元は、システムを過去の状態に戻す方法です。
- 自動修復画面に入る: まず、パソコンの電源を入れ、起動時にShiftキーを押しながら再起動を選択し、自動修復画面に入ります。
- システムの復元を選択: 次に、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」を選択します。
- 復元ポイントを選ぶ: 最後に、指示に従って復元ポイントを選択し、システムを復元します。
スタートアップ修復
スタートアップ修復は、Windowsの起動に必要なファイルや設定を修復する方法です。
- 自動修復画面に入る: まず、パソコンの電源を入れ、起動時にShiftキーを押しながら再起動を選択し、自動修復画面に入ります。
- スタートアップ修復を選択: 次に、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」を選択します。
- 修復を実行する: 最後に、指示に従い、修復を実行します。
システムファイルチェッカー
回復オプションが表示されている場合、コマンドプロンプトを使用してシステムファイルチェッカーを利用すると、コンピュータの各種問題を解決するのに役立ちます。
- コマンドプロンプトで「sfc /scannow」と入力します。これにより、システム全体のエラーチェックが実行され、問題が検出された場合は自動的に修復が行われます。
- 回復オプションで「トラブルシューティング」メニューを選択します。
- 「詳細オプション」から「コマンドプロンプト」を選択します。
- コマンドプロンプトが開かれます。
- コマンドプロンプトで「sfc /scannow」と入力します。
- これにより、システム全体のエラーチェックが実行されます。
- 問題が検出された場合は、自動的に修復が行われます。
どうしても起動しないときは専門業者に相談する
最も適切かつ確実にデータ復旧を行う方法は、データ復旧の専門業者に対応を依頼することです。データ復旧専門業者では、物理障害からのデータ復旧にも対応しており、自力で復旧を試すよりも、はるかに高い確率でデータを取り戻すことができます。
特に技術力のある業者では、経験豊富な熟練のエンジニアが多数在籍しており、特殊な専門ソフトを用いてデータ復元を行います。ただし、業者によっては技術力が大きく異なり、復旧率にも大きな違いがあります。中にはSSDを搭載したパソコンのデータ復旧には対応していない業者もあります。
データ復旧率を少しでも高めるため、業者を選ぶ際は「技術力」のあるデータ復旧の専門業者に対応を依頼することが重要となってきます。
当社では、症状やメーカーをお教えいただければ、41万件を超えるご相談実績から復旧の見込みがあるのかをお調べいたします。まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。