誤って大切なデータをゴミ箱から消去してしまった場合、通常の方法では復旧が難しくなりますが、専門的なアプローチを行えば、データを取り戻すことが可能です。
この記事では、ゴミ箱から削除したデータを復元する方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
ゴミ箱を空にすると通常の手段では復元できない
「ゴミ箱を空にしてしまったら、もうデータは戻ってこないのでは?」と心配されている方も多いかもしれません。しかし、実は技術的には、データがすぐに完全に消えてしまうわけではありません。削除されたファイルは、新しいデータが上書きされるまではディスク上に残っているのです。ただし、一度上書きされると、そのデータを取り戻すのは非常に難しくなります。
例えば、HDDを初期化してしまったり、削除後に数日間PCを使用していた場合、新しいデータがどんどん書き込まれ、元のデータが上書きされるリスクが高くなります。そのため、できるだけ早めに対応することが大切です。もし自力での復元が難しいと感じたら、専門業者に依頼することで、より確実で安全なデータ復旧が期待できます。
デジタルデータリカバリ―では、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しているので、まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
ゴミ箱から削除されたデータを復元する方法
「ゴミ箱を空にする」で削除されたファイルは「通常の手段」で取り戻すことはできませんが、消失したデータを復旧する方法として、主に次のようなものがあります。
「ご自身での判断が難しい」「条件を満たさず機能を利用できない」場合は、データの重要性に応じて専門家に依頼することを検討してください。
デジタルデータリカバリーでは、お電話またはメールでお問合せいただくと、簡易診断と対応方法について無料でご案内いたします。また、機器別の専門のエンジニアによる無料初期診断を行っているので、お気軽にご相談ください。
データ復元ソフトから復元する
データ復元ソフトは、ゴミ箱から削除されたファイルをスキャンして復元するツールです。これらのソフトは、簡単な操作で削除されたファイルを検索し、復元することができます。復元が不完全で、文字化けや一部データが欠損する場合がある点には注意が必要です。
データ復元ソフトから復元する一般的な手順は次の通りです。
- まず、適切なデータ復元ソフトをインストールします。
- インストールが完了したら、ソフトを起動します。
- スキャン対象のドライブを選択:削除されたファイルが保存されていたドライブやフォルダーを選択します。通常、ゴミ箱から削除されたファイルは元の保存場所に関係なく、選択したドライブ全体をスキャンすることを推奨します。
- スキャンの実行:スキャンを開始します。ソフトは削除されたファイルを検索し、リストアップします。スキャンには時間がかかる場合がありますが、終了するまで待ちます。
- 復元したいファイルの選択:スキャンが完了したら、削除されたファイルのリストが表示されます。復元したいファイルを選択し、チェックを入れます。
- データ復元の実行:選択したファイルを復元するために、復元ボタンをクリックします。復元先のフォルダーを指定する際は、元の場所とは別の場所を選択することが重要です。これにより、データの上書きを防ぐことができます。
- 復元ファイルの確認:復元が完了したら、指定したフォルダーに復元されたファイルが保存されていることを確認します。
以前のバージョンから復元する
「以前のバージョン」とは、ファイルやフォルダが以前に存在していた状態を復元するための機能です。たとえばファイルやフォルダが誤って削除されたり、変更されたりした場合に、これを用いることで以前のバージョンに戻すことができます。
「以前のバージョン」を使ってデータ復元する手順は次の通りです。
- 消えたデータの保存先を参照し、データ保存されていたフォルダ類を右クリックしてプロパティの中から「以前のバージョンの復元」を選択します
- 復元したい時間を選択し「復元」を押すことでデータが選択した時間時点の状態に保存されます
ファイルの履歴から復元する
windows10/11には「ファイル履歴」というバックアップツールが標準搭載されています。
この機能を有効化しておくことで、各フォルダに保存されているファイルを、外付けHDDやUSBメモリなどの外部ストレージに自動バックアップし、ファイルの紛失や破損・削除などのトラブルから身を守ることができます。
対象は「C:¥Users¥[ユーザー名]」フォルダ内にある下記データなどが対象です。
- OneDrive (バックアップには Microsoft アカウントでサインインしている必要がある)
- デスクトップに保存されているファイル
- ドキュメント
- ピクチャ
- ビデオ
- ミュージック
- リンク
- 検索
- カメラロール
- 保存済みの写真
ファイル履歴の設定画面では、バックアップ対象となるフォルダーを個別に選択できます。不要なフォルダーは除外して、必要なデータのみをバックアップしましょう。データが削除された日やファイル名が分からない場合でも、そのフォルダを「以前のバージョン」に戻すことで、ピンポイントで消えたデータの復元が可能です。
ファイル履歴を使ってデータ復元する手順は次の通りです。
- 設定から更新とセキュリティをクリックします
- バックアップから、その他のオプションをクリックします
- 「現在のバックアップからファイルを復元」をクリックしましょう。すると、過去にバックアップを行った日のファイルが表示されます
- 対象のフォルダ・ファイルを選択し、矢印ボタンをクリックすれば復元が開始します
ファイル履歴は便利なバックアップツールですが、万能ではありません。システムエラーやハードディスク破損でファイル自体が破損した場合は復元できない可能性があります。
シャドウ・コピー機能を利用する
Windowsには、バージョンによって「シャドウコピー」という自動バックアップ機能が搭載されており、特定の時点でファイルを自動で複製し、バックアップ領域に保存します。
ただ、シャドウコピーを利用する前に、あらかじめシャドウコピーの設定を行う必要があります。バックアップ領域の容量が不足すると、シャドウコピーが作成されず、データの復元が難しくなる可能性があります。
設定方法はWindowsのバージョンによって異なりますが、次のとおりです。
- デスクトップの「PC」を右クリックし、「プロパティ」をクリックします。
- 「システムのプロパティ」画面で、「システムの保護」タブをクリックします。
- 「保護設定」で、シャドウコピーを設定したいドライブを選択し、「構成」をクリックします。
- 「システム保護対象 ローカル ディスク (C:)」画面で、以下の設定を行います。
- 「シャドウコピーを有効にする」にチェックを入れます。
- 「最大保存数」で、保存しておきたいシャドウコピーの最大数を指定します。
- 「保存期間」で、シャドウコピーの保存期間を指定します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
シャドウコピーの設定が完了したら、シャドウコピーを利用することができます。シャドウコピーを利用するには、以下の手順で行います。
- 復元したいファイルを右クリックし、「プロパティ」をクリックします。
- 「全般」タブで、「以前のバージョン」をクリックします。
- 復元したいシャドウコピーを選択し、「復元」をクリックします。
データ復旧業者に依頼する
ゴミ箱から完全に削除してしまったデータの復元は、高度な技術と経験が必要な作業です。
ご自身で復旧を試みることは、データ消失のリスクも高く、結果的にデータが復旧できない場合があり、おすすめできません。
- 「重要なデータや業務に関わるデータをできるだけ早く復旧したい」
- 「データ消失のリスクを最小限に抑えたい」
この場合、高度な技術と実績を持つデータ復旧業者に相談しましょう。復旧業者は高度な解析ツールを用いて断片化されたデータの断片を収集・再構築する技術を持っています。
当社では、初期診断は最短5分、ご依頼いただいた機器の約8割が48時間以内に復旧完了しています。ご相談・初期診断・お見積りまで無料でご案内しています。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。