大切な動画ファイルが突然再生できなくなった、編集ソフトに読み込めない――そんなトラブルは誰にでも起こり得ます。動画ファイルの破損は、保存中の不具合やデバイスの故障、ソフトウェアのエラーなど多岐にわたる原因で発生します。
本記事では、動画が破損する主な原因を解説したうえで、修復に役立つアプリの特徴や初期対応、そして破損を防ぐための予防策まで、包括的に紹介します。
目次
動画が破損する原因
動画ファイルの破損には、以下のような原因があります。状況に応じて該当するものを確認し、再発防止の参考にしてください。
不適切な保存・転送方法
動画ファイルは非常に繊細な構造を持っており、保存中や転送中のちょっとしたトラブルでも破損してしまう恐れがあります。たとえば、動画の記録がまだ完了していない段階でカメラの電源を切ったり、SDカードを抜いたりすることで、ファイルが中途半端な状態で保存されてしまい、再生不能となるケースが多く見られます。
また、パソコンから外付けストレージへの転送中にネットワーク障害が起きた場合や、USBケーブルが途中で外れた場合にも、正常な書き込みが行われず破損が発生する可能性があります。
ウイルスやマルウェアの感染
パソコンがウイルスやマルウェアに感染すると、保存されたファイルが勝手に書き換えられたり削除されたりすることがあります。動画ファイルも例外ではなく、ファイルの一部に不正なコードが書き込まれることで、再生時にエラーが発生したり、まったく開けなくなるケースがあります。
特に、未知のソフトウェアやフリー素材を頻繁に扱う環境では、無自覚のうちに感染してしまっている可能性もあり、定期的なウイルススキャンが推奨されます。
不完全なダウンロード
動画をインターネット上からダウンロードする際、通信が途中で途切れたり、サーバー側で不具合が発生した場合、ファイルが不完全なまま保存されてしまうことがあります。この状態では、ファイルの構造が崩れているため、メディアプレイヤーで再生してもエラーとなるか、途中で止まってしまいます。
また、ファイルサイズが本来よりも小さくなっていることが多く、これが確認できる場合は再ダウンロードが必要です。
コーデックの問題
動画ファイルは、特定のコーデック(動画・音声を圧縮するための技術)を使用して再生されます。パソコンに再生に必要なコーデックがインストールされていない場合や、インストールされているコーデックが古い・互換性がない場合には、動画がうまく再生できず、破損したように見えることがあります。
特に、特殊な機材で撮影された動画や、スマートフォンの機種依存のフォーマットなどは、標準プレイヤーでは対応していないことも多いため、注意が必要です。
動画編集・変換時のエラー
動画編集ソフトや変換ソフトを使ってファイルを操作する際に、処理が途中で止まったり、設定ミスがあったりすると、出力されたファイルが破損状態になることがあります。たとえば、エンコード処理中にPCがフリーズしたり、電源が切れたりするだけでも、完成しきっていない動画ファイルが保存されてしまうのです。
また、コーデックやビットレートの設定を誤ると、出力された動画が再生できない形式になってしまうケースもあります。
ストレージの故障
HDDやSSD、SDカードなどのストレージが劣化すると、一部のデータが正しく読み取れず、動画ファイルが破損と判断されることがあります。特にHDDでは「不良セクタ」が原因で、再生時に映像が乱れたり止まったりすることがあります。安価なストレージや古いSDカードでは、こうした不具合が起きやすく注意が必要です。
このようなトラブルは自力での修復が難しく、誤った操作によって状態が悪化する可能性もあります。異常を感じたら、早めに専門の診断を受けることが大切です。
当社では、動画ファイルを含む各種データの復旧にも対応しています。46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)と、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)を誇ります。
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動画ファイルが破損したときの対処法
動画が破損してしまった場合、状態に応じて適切な修復手段を選ぶことが重要です。以下では、無料で試せる方法から、専門ソフトを使った修復、さらには業者への依頼に至るまで、段階的に対処法を解説します。
別のプレーヤー・デバイスで再生確認
破損しているように見えても、再生環境の問題であることがあります。まずは他の環境で再生できるかを確認しましょう。
- 現在使用中のプレーヤー以外(VLC、QuickTime、Windows Media Playerなど)で動画を再生してみる。
- 別のPCやスマートフォンにファイルを移動し、再生を試みる。
- それでも再生できない場合、以降の修復作業に進む。
ファイルをコピーしてバックアップを取る
修復操作中にさらにファイルが損傷する可能性を避けるため、オリジナルは保管して別ファイルで修復作業を行うのが鉄則です。
- 動画ファイルを右クリックし、「コピー」を選択。
- 別のフォルダ、または外付けHDDやUSBメモリに貼り付ける。
- コピーしたファイルで以降の修復を実行する。
VLC Media Playerでインデックス再構築を試す
無料で使えるVLCには、壊れたMP4ファイルのインデックス(再生構造)を再構築する機能があります。軽度の破損ならこれで再生できることもあります。
- VLC Media Playerをインストールし、起動する。
- 破損動画をドラッグ&ドロップでVLCに読み込む。
- 「インデックスを修復しますか?」と表示されたら「はい」または「常に修復する」を選択。
- 再生できるかどうかを確認。
FFmpegでコンテナ再構築や再エンコードを行う
FFmpegはコマンドライン操作で動画を修復できる高機能ツールです。特にファイル構造(コンテナ)の再構築に有効です。
- ターミナルまたはコマンドプロンプトを開く。
- 以下のコマンドを入力し、Enter:
ffmpeg -i broken.mp4 -c copy fixed.mp4
- 再生できない場合は再エンコードを試す:
ffmpeg -i broken.mp4 -c:v libx264 -c:a aac fixed.mp4
- 出力されたファイルが再生できるか確認。
専用修復ソフトを使用する
VLCやFFmpegで対応できない中〜重度の破損には、専用ソフトが効果的です。例:Wondershare Repairit、Stellar Repair for Videoなど。
- 公式サイトからソフトをダウンロードしてインストール。
- ソフトを起動し、破損動画を追加する。
- 「修復」ボタンをクリックして処理を開始。
- プレビューで結果を確認し、「保存」を実行。
専門のデータ復元業者に依頼する
ファイルがまったく再生できない、ストレージ自体が損傷しているなどの場合は、個人での対応が困難なため、専門業者への依頼を検討しましょう。
- パソコンや記録媒体の使用をすぐに停止。
- デジタルデータリカバリーなどの専門業者に問い合わせる。
- 宅配または持ち込みで診断を依頼。
- 診断後の見積りを確認し、復旧を依頼するか判断。
動画が破損したときは焦らずに冷静に、上記手順に従って行動することで、修復成功率が高まります。特にオリジナルファイルのバックアップ、軽度な破損での早期対応がカギです。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。