「Windowsブートマネージャー」の画面でパソコンが起動しないと、OSが読み込めず、パソコン自体が操作できないという深刻な問題に陥ります。この状態が続くと仕事の資料や個人のファイルにアクセスできず、場合によってはそれらが消失する可能性もあります。
このような状況では、貴重なデータが消失してしまう危険性が高まります。そこでこの記事では、データ復旧のプロの視点から、起動できない原因と対処法を徹底的に解説します。
Windowsが起動しない場合の全般的な原因と対処法を解説した記事はこちら
目次
「Windowsブートマネージャー」とは?
「Windowsブートマネージャー」とは、Windowsオペレーティングシステム(OS)が起動する際に、ブートプロセスを管理する重要なプログラムです。
具体的には、パソコンを起動したときに最初に実行されるプログラムで、ハードディスクやSSDからOSを読み込み、システムを立ち上げる役割を果たします。
ブートマネージャーは以下のような機能を持っています。
- OS選択:複数のOSがインストールされている場合、どのOSを起動するかを選択できる。
- エラーチェック:起動中に問題が発生した場合、そのエラーを通知し、修復やトラブルシューティングのプロセスに進む。
- デバイスの管理:必要なデバイスやドライバを起動時に読み込み、OSが正しく動作するようにする。
「Windowsブートマネージャー」が正しく動作しないと、OSが起動しなくなり、パソコンが立ち上がらないトラブルが発生します。特に、経年劣化や物理障害が疑われる場合、データ消失のリスクが非常に高まります。
物理的な故障が進むと、データが完全に読み取れなくなる恐れがあります。自力での修復は避け、データ復旧業者に相談することを強くおすすめします。
「Windowsブートマネージャー」でパソコンが起動しない原因
パソコンが「Windowsブートマネージャー」画面で止まる場合、考えられる原因はいくつかあります。これらの原因を正確に把握することが、適切な対処を行う第一歩です。
ブートファイルの破損
ブートファイルが破損していると、「Windowsブートマネージャー」が正しく機能せず、OSが起動できなくなることがあります。特に、突然の電源断やアップデートの失敗が原因で、ブートファイルが壊れることがあります。
BIOS設定の不具合
BIOSの設定が誤っていると、ブートデバイスを正しく認識できず、パソコンが起動しないことがあります。特に、システムの更新後やハードウェアの変更後に発生しやすい問題です。
MBRの破損
MBR(マスターブートレコード)が破損すると、パソコンは起動時にどのOSを読み込むべきかを認識できません。MBRの破損は、ウイルスや不正なシステム変更によって引き起こされることがあります。
ドライバの更新ミス
ドライバの更新中に何らかの問題が発生すると、ブートプロセスに影響を及ぼすことがあります。特に、ブートローダーやストレージ関連のドライバが不正にインストールされた場合、OSの起動ができなくなります。
ウイルス感染
ウイルスやマルウェアによってブートセクターが改ざんされ、OSが正常に起動できなくなることがあります。このような場合、専門的なツールや業者に依頼することが必要です。
ハードウェア障害
ハードディスク(HDD)やSSDの物理的な故障が発生した場合、パソコンはブート情報を正しく読み取ることができなくなり、結果としてOSが起動できなくなります。この問題の原因としては、以下のようなことが考えられます。
- 記憶装置内部の機械的な損傷
- 電子部品の劣化
- 電気的なショート
特に、HDDの場合は、ディスク内部のプラッタ(データが保存されている円盤)が物理的に損傷すると、ヘッドクラッシュと呼ばれる現象が発生し、データが読み取れなくなることが多いです。SSDの場合でも、内部のNANDフラッシュメモリが劣化したり、コントローラチップが故障すると、同様にデータが消失する危険があります。
ハードウェア障害が発生時、自己修復を試みるのはリスクが高い
このようなハードウェア障害が発生した場合、自己修復を試みるのは非常にリスクが高いです。なぜなら、物理的な故障に対して以下のような手段は効果がないためです。
- ソフトウェアツール
- 再起動などの一般的な修復手段
さらに、これらの操作を続けることで状況が悪化し、データが完全に失われるリスクが大きくなります。例えば、ヘッドクラッシュが発生したHDDを無理に動かそうとすると、プラッタにさらなる傷が付き、重要なデータが復旧不可能になることがあります。
こうした物理障害が疑われる場合、すぐにデータ復旧業者に相談することが重要です。データ復旧業者は、以下のような対応を行います。
- クリーンルームと呼ばれる特殊な環境での作業
- 損傷したHDDやSSDを分解し、損傷箇所を特定
- 専用の機器や高度な技術を駆使してデータを救出
クリーンルームは、ほこりや静電気を完全に排除した環境で、データ復旧を安全に行います。物理障害や重度の論理障害が疑われる場合、迅速にプロに相談することが重要です。
当社は、46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)を持ち、経験豊富な専門アドバイザーが対応しています。手術室レベルの清潔なクリーンルームや7,000台以上のHDDドナーを活用し、迅速かつ確実なデータ復旧を提供します。
24時間365日、電話受付と無料診断を行っておりますので、いつでも安心してご相談ください。相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
「Windowsブートマネージャー」でパソコンが起動しない場合の対処法
「Windowsブートマネージャー」画面で起動できない場合、次の対処法を試してください。
システム修復ディスクを使用する
修復ディスクとは、正常に動作する他のWindowsパソコンで作成し、それを使って起動不能のパソコンを復旧させる手順です。これは特に、ブートセクタやシステムファイルが破損している場合に、この方法は非常に有効です。
- 別の正常なWindowsパソコンで、システム修復ディスクを作成します。
└これは、コントロールパネルの「バックアップと復元」から「システム修復ディスクの作成」を選択することで行います。 - 修復ディスクを問題のパソコンに挿入し、パソコンを起動します。BIOS設定で、起動順序をDVDドライブ(またはUSB)に変更しておくことが必要です。
- 「システム回復オプション」画面が表示されたら、「スタートアップ修復」を選択します。この機能は、Windowsが正しく起動しない問題を自動的に修復します。
- 修復が完了したら、パソコンを再起動し、正常に起動できるか確認します。
BIOSを初期化する
BIOS(Basic Input/Output System)は、パソコンの基本的なハードウェア設定を管理するプログラムです。BIOS設定が誤っている場合、ブートデバイスの選択ミスやハードウェアとの互換性の問題で起動できなくなることがあります。
この場合、BIOSを初期化し、デフォルトに戻すことで問題を解決できることがあります。
- パソコンを再起動し、起動中に「F2」キーを連打してBIOS設定画面に入ります。メーカーによっては「Delete」キーや「Esc」キーを使用する場合もあります。
- BIOS設定画面が表示されたら、「F9」キーを押してデフォルト設定に戻します。これにより、ブート設定や他のハードウェア設定が工場出荷時の状態にリセットされます。
- 「F10」キーを押して設定を保存し、パソコンを再起動します。
MBRの修正を試みる
MBR(マスターブートレコード)は、OSを起動するための重要なデータが記録された領域です。これが破損すると、パソコンは正しく起動できなくなります。
MBRを修復するには、Windowsインストールメディアを使用して、コマンドプロンプトから特定のコマンドを実行します。
- Windowsインストールメディアを使ってパソコンを起動します。
└メディアは、USBまたはDVDからのブートが可能なもので、Windowsのインストール画面が表示されたら、「コンピューターを修復する」を選択します。 - 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択します。
- コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力してMBRを修復します:
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /rebuildbcd
- コマンド実行後、パソコンを再起動し、MBRが修復されたか確認します。
システムの復元を行う
システムの復元は、Windowsを以前の状態に戻す機能です。Windowsが正常に動作していた時点の「復元ポイント」を使って、システム設定やファイルをその状態に戻すことができます。この方法は、ソフトウェアや設定の変更が原因で発生した問題に有効です。
- Windowsインストールメディアを使用してパソコンを起動します。
- 「コンピューターを修復」を選択します。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システム復元」を選択します。
- 表示される復元ポイントのリストから、問題が発生する前の日時を選択し、復元を開始します。
- 復元が完了したら、パソコンを再起動して、問題が解決したか確認します。
データ復旧業者に相談する
もし上記の方法でも問題が解決しなかったり、ハードウェアに問題があると感じた場合は、データ復旧の専門業者に相談することが大切です。自分で修復を試すと、データがさらに失われるリスクがあるため、専門家の力を借りる方が安全です。
データ復旧のプロは、壊れた機器やシステムのトラブルにも対応でき、特にバックアップがない大事なデータを取り戻すための技術を持っています。
大切なデータが必要な場合は、できるだけ早く専門家に相談しましょう。
確実なデータ復旧はデータ復旧の専門業者に依頼する
デバイスの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
国内にデータ復旧業者は100社以上存在しますが、デジタルデータリカバリーでは、過去46万件以上のご相談実績から算出されるデータベースをもとに、一般的なデータ復旧業者では復旧できない症状でも対応可能です。機器や症状ごとに配置された70名以上の専門のエンジニアが、最先端設備と技術力を駆使し、高難易度の症状でも復旧作業を行います。
デジタルデータリカバリーでは、年中無休で365日24時間の電話受付・無料診断を行っています。 そのため、突然の故障でもすぐに受付可能です。また復旧ラボへ直接機器をお持込みいただければ、ご希望のお客様には実際に復旧作業している現場をご案内いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。