Windowsのシステムファイルなどが破損すると、システムのパフォーマンスや安定性に問題が生じることがあります。本記事では、破損ファイルを修復するためのさまざまな方法とツールを詳しく解説します。
目次
Windowsでファイルが破損する原因
Windowsでファイルが破損する原因は主に次の通りです。
システムの不適切なシャットダウン
突然の電源オフや停電によるシャットダウンが原因で、ファイルが破損することがあります。これは、システムが正しく終了しないことで、ファイルの書き込み処理が中断されるためです。これを防ぐには、必ず正しい手順でシャットダウンすることが大切です。また、停電時のリスクに備えて無停電電源装置（UPS）を導入すると安心です。
ソフトウェアの不具合やバグ
Windows OSやアプリケーションのバグが原因で、ファイルが破損することもあります。システムが不安定になる前に、OSやアプリケーションを常に最新の状態に保つことが重要です。定期的にアップデートを行うことで、このような問題を回避できます。
ウイルスやマルウェアの影響
悪意のあるソフトウェアがファイルを改ざんしたり破壊したりすることがあります。これを防ぐには、信頼性の高いウイルス対策ソフトを導入し、定期的にシステムスキャンを実行しましょう。未知のウイルスに対処するためにも、ウイルス定義ファイルを常に最新の状態にしておくことが大切です。
ファイルシステムの不整合
突然のシステムクラッシュや強制終了によってファイルシステムに不整合が生じると、データが正しく管理されなくなり、ファイルが破損する可能性があります。この問題には、「チェックディスク（CHKDSK）」を定期的に実行してファイルシステムを整えることが効果的です。
ハードウェアの互換性や故障
メモリや電源装置などのハードウェアが故障すると、ファイルに悪影響を及ぼすことがあります。信頼性の高いハードウェアを選ぶことに加え、診断ツールを使って定期的にハードウェアの状態をチェックすることが推奨されます。
ストレージ容量の不足
ディスク容量が不足している状態でファイル操作を行うと、データが正しく保存されないことがあります。不要なファイルを削除し、常に十分な空き容量を確保することが大切です。特にシステムドライブには余裕を持たせておくことが重要です。
ネットワークが不安定
ネットワーク経由でファイルを転送する際、接続が不安定だとデータが欠落し、ファイルが破損することがあります。信頼性の高いネットワーク環境を整え、データ転送時にはエラーチェック機能を活用しましょう。
ストレージの物理的な障害
ハードディスクのセクタ不良や、SSDのメモリチップの劣化によってデータが読み取れなくなることがあります。
またパソコン内部の高温や湿度の高い環境が、ストレージや他の部品の劣化を引き起こし、結果的にファイルの破損につながることがあります。
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Windowsで破損ファイルを修復する主な方法
以下の方法を試すことで、ほとんどの破損ファイルの問題を解決できます。
システムファイルチェッカー(SFC)の実行
Windowsに組み込まれたSFCコマンドを使用して、破損したシステムファイルを自動的に修復します。
- コマンドプロンプトを管理者権限で開きます。
sfc /scannowと入力してEnterを押します。- スキャンが完了するまで待ちます。破損ファイルが見つかった場合、自動的に修復が試みられます。
DISMツールの使用
SFCで修復できない場合、DISMコマンドを使用してWindowsイメージを修復します。
- コマンドプロンプトを管理者権限で開きます。
- 以下のコマンドを順に実行します：
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth - 各コマンドが完了するまで待機します。
チェックディスクの実行
ハードドライブのエラーを検出して修復するために、チェックディスク(CHKDSK)を使用します。
- コマンドプロンプトを管理者権限で開きます。
chkdsk C: /f /rと入力し、Enterを押します（Cは対象のドライブ文字）。- 再起動が必要な場合、再起動後にスキャンが実行されます。
システムの復元ポイントの使用
システムの復元ポイントを利用して、破損が発生する前の状態に戻します。
- 「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「システムの保護」を開きます。
- 「システムの復元」をクリックします。
- リストから復元ポイントを選択し、画面の指示に従って復元を実行します。
Windows Updateの実行
最新の更新プログラムをインストールして、破損したシステムファイルを修復します。
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開きます。
- 「更新プログラムのチェック」をクリックし、利用可能な更新をインストールします。
セーフモードでの診断と修復
セーフモードで起動し、他の修復方法を試すことで、問題の原因を特定できます。
- 「Shift」キーを押しながら「再起動」をクリックします。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」を選択します。
- 再起動後、「セーフモード」を選択します。
Windowsの再インストール
上記の方法で解決できない場合は、Windowsの再インストールを検討します。
- 重要なデータをバックアップします。
- Windowsインストールメディアを作成し、PCをメディアから起動します。
- 「PCを修復する」オプションを選択し、「PCを初期状態に戻す」を選びます。
破損ファイルの修復は、問題が発生した直後に対応することで効果的です。また、定期的なバックアップやシステムのメンテナンスを行い、データ損失やさらなる問題を未然に防ぎましょう。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
