「Windowsの準備をしています、コンピューターの電源を切らないでください」と、エラーメッセージが表示され、画面が先に進まないトラブルが発生することがあります。このエラーメッセージは、Windows OSがアップデートなどで既存のシステム設定を変更している時に表示されます。
このエラーは、パソコンの再起動時や、Windowsの更新プログラムをインストールした後によく見られます。主な原因として、Windowsアップデートやディスクの容量不足が考えられます。
「Windowsの準備をしています」が表示されている間の更新プログラムのインストールやシステム設定の変更は、通常2~3時間ほどで終わります。終わるまでの時間は、アップデートの種類やコンピュータのスペックによって大きく変動します。
この記事では、「Windowsの準備をしています、コンピューターの電源を切らないでください」のエラーが発生する原因、エラーを解消する方法からデータ復元方法までを解説しています。
目次
「Windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」と表示される原因
「Windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」と、エラーが表示される原因として、以下のことが考えられます。
エラーが解消できない場合のパソコンのデータ復旧方法は以下の記事で解説していますので、是非ご相談ください。
パソコンが帯電している
帯電とは、パソコン内部に静電気が溜まる現象を指し、ハードウェアが正常に動作しなくなることがあります。パソコンの帯電の問題は、一時的なものである可能性があり、溜まった静電気を放電することで問題が解決することもあります。
BIOSエラーが発生している
BIOSは、パソコンの基本的なハードウェア設定を管理するプログラムで、起動時にハードウェアの初期化やオペレーティングシステムの読み込みを行います。BIOSエラーの原因には、設定の誤りやアップデートの失敗、あるいはハードウェアの故障などが考えられます。これを解決するためには、まずBIOSの設定をリセットする必要があります。
ディスクの容量不足
ディスクの容量が不足する原因例として、セキュリティソフトの二重使用が挙げられます。複数のセキュリティソフトが同時に実行されると、互いに干渉し、過剰にデータ容量を消費する可能性があります。容量不足は、Windowsのアップデートが完了しない原因にもなるので、ある程度の空き容量を確保しておきましょう。
ソフトウェアのインストールまたはアンインストールの途中
ソフトウェアのインストールまたはアンインストールの途中であることが原因で、エラーが表示されている可能性があります。この場合、インストールが途中で停止しているため、Windowsがシステムの変更を処理していることを指します。
内蔵HDD/SSDの論理障害
論理障害は、誤操作による初期化や削除、フォーマットが原因でデータが失われる状態です。この場合、以下のような症状が見られることがあります。
- パソコンがフリーズする
- フォーマットを要求される
- パソコンの動作が重くなる
- 開けない、コピーできないファイルやフォルダがある
軽度の論理障害であれば、自力で対処できる場合もありますが、誤った対処を行うと状態が悪化し、データを完全に失う危険性があります。原因が分からない場合は、むやみに復旧作業を行わないことが重要です。
内蔵HDD/SSDの物理障害
物理障害は、HDDが落下や水没、経年劣化など物理的衝撃で故障した状態です。この場合、以下のような症状が見られます。
- 異音や異臭がする
- エラーやフォーマットを促すメッセージが表示される
- BIOSで認識されない
- OSが起動しない
- パソコンが頻繁にフリーズや再起動する
物理障害の診断と修復には、クリーンルームなどの環境設備と技術が必要です。無理に操作すると状態が悪化し、データが完全に失われる可能性があります。デジタルデータリカバリーでは、物理障害のデータ復旧実績が多数ありますので、ぜひご相談ください。
「Windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」と表示される時の対処法
「Windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」とエラーが表示された場合、以下の対処法を試してみてください。
放電する
パソコンが帯電していると、静電気が内部のハードウェアに影響を与え、正常な動作を妨げることがあります。この場合、パソコンを放電するようにしてください。放電の手順は以下の通りです。
- パソコンの電源を完全に切る
- 電源ケーブルをコンセントから抜く
- ノートパソコンの場合はバッテリーを取り外す
- パソコンの電源ボタンを15~30秒間押し続ける
- 再度電源を入れる
PCを強制終了する
周辺機器を取り外し、「Windowsの準備をしています コンピューターの電源を切らないでください」のエラーが長時間終了しない場合は、パソコンの強制終了を実行します。しかし、強制終了はパソコンへの負担が大きく、データに影響が出る可能性があるため、何度も強制終了しないようにしましょう。
BIOSの設定をデフォルトに戻す
「Windowsの準備をしています」というメッセージが表示されたまま進まない場合、BIOS設定の問題が原因となっている可能性があります。BIOS設定をデフォルトに戻す手順は以下の通りです。
- パソコンを再起動する
- F2・F10、Deleteキーなどを押してBIOS設定画面を開く
- オプションから、「Load Default Settings」や「Reset to Default」などを選択
- BIOS設定がデフォルトの状態にリセットされる
スタートアップ修復を実行する
Windowsの起動中に問題が発生している場合、スタートアップ修復を実行することで問題を解決できることがあります。スタートアップ修復を実行する手順は次の通りです。
- パソコンを起動し、Windowsのロゴが表示される前に電源を切ります。
- この操作を3回繰り返すと、自動修復モードが起動します。
- 「オプションの選択」画面が表示されたら、「トラブルシューティング」を選択します。
- 「詳細オプション」を選択し、「スタートアップ修復」を選びます。
- スタートアップ修復が完了するまで待ちます。
セーフモードで起動する
セーフモードは、Windowsの必要なドライバーとサービスのみを読み込んで起動するモードです。セーフモードで起動する場合の一般的な手順は以下の通りです。
- サインイン画面が表示される前に、パソコンの電源を再起動します。
- 再起動中に、F8キーまたはShiftキーを繰り返し押します。
- オプションの選択画面が表示されたら、4) トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ設定 > 再起動の順に選択します。
- 再起動後に、数字キーまたはファンクションキー(Fnキー)を使用して、セーフモードを選択します。
それでも問題が解決しない場合は、ハードディスクやSSDに物理的な損傷がある可能性があり、原因を特定して適切な対処を行うことが重要です。
仕事関係のデータなどデータ自体の復旧が必要な場合は、すぐに使用を中止し、データ復旧の専門家に相談しましょう。
Windows回復環境で起動する
Windowsが起動できない場合に、回復環境から修復することができます。手順は以下です。
- Windows 10 のインストールメディアを用意する
- インストールメディアを差し込んだ状態でパソコンを起動する
- 画面に「Press any key to boot from CD or DVD」と表示されたら「Enter」キーを押す
- インストールメディアが起動したら「次へ」をクリック
- 「コンピューターを修復する」をクリック
- 「トラブルシューティング」をクリック
- 「詳細オプション」をクリックし、実施したい作業を選択
インストールメディアを持っていない場合も、回復環境を起動することができます。回復環境が起動したら、「トラブルシューティング」をクリックし、「詳細オプション」をクリックしたら、以下の画面が表示されるため、実施したい作業を選択しましょう。
問題のあるファイルを削除する
回復環境が起動できたら、問題のあるファイルを削除するようにしましょう。起動を妨げているファイルを削除することで、問題が解決できる可能性があります。
- 「詳細オプション」画面で「スタートアップ修復」をクリック
- ユーザーアカウントを選択し、ログインパスワードを入力
- しばらく待機し、スタートアップ修復が完了したら再度起動する
簡単に実行できる反面、スタートアップ修復はパソコン上の不具合を全体的にチェックするので、パソコンに負荷をかけやすいです。
修復を何度も繰り返してしまうと、障害が悪化する可能性があるため、何度も実行しないようにしましょう。
システムの復元を行う
事前に「復元ポイント」を作成している場合、回復環境からシステムの復元を行うことができます。システムの復元は、パソコンが正常に動作していた時点まで、Windowsの状態を戻す作業になります。
回復環境から起動し、詳細オプションで「システムの復元」を選択しましょう。作成したファイルやデータはそのまま残りますが、削除したデータを復元することは個人では困難なため、データを優先的に復元したい場合は、データ復旧業者に依頼しましょう。
Windowsを再インストール
上記の方法で問題が解決しない場合、Windowsの再インストールを検討します。データのバックアップを事前に行い、クリーンインストールを実施します。ただし、再インストールは、論理障害はともかく、物理障害の場合は根本原因を解決することはできないため、データ損失を招く可能性があります。
自力で解決できない場合はデータ復旧業者に相談する
PCの中に失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害や、重度の論理障害からのデータ復元・復旧が可能です。
これまでの対処方法は、ごく「軽度の論理障害」しか対応できず、「中高度の論理障害」あるいは「経年劣化を含む物理障害」には対応できませんでした。
データ復旧業者では、PCに発生している症状を元にエンジニアによる正確な初期診断を行い、故障原因の特定が可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで、無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。