Windows 10が起動しない問題は、多くのユーザーにとって深刻なトラブルです。データ消失のリスクもあり、早急に適切な対応が求められます。
この記事では、スタートアップが起動しない原因とその対処法について、データ復旧の専門家の視点から詳しく解説します。
目次
Windows 10/11のスタートアップとは
Windowsのスタートアップとは、パソコンを起動したときに自動的に実行される一連のプログラムやサービスのことを指します。スタートアップの目的は、ユーザーが使用するための基本的な環境を素早く準備することです。例えば、セキュリティソフトやクラウドストレージサービスなどのバックグラウンドアプリケーションが、自動的に実行されます。
Windowsのスタートアップに含まれる要素には、以下のものがあります。
- システムサービス:
OSが正常に動作するために必要な基本的なサービス。 - ドライバの読み込み:
ハードウェアの動作に必要なドライバが読み込まれます。 - ユーザーが設定したアプリケーション:
自動で実行するように設定したアプリケーションが起動します。
スタートアップが起動しない原因
スタートアップが起動しない原因には、いくつかの要因があります。それぞれに対して適切な対処法が必要です。以下のリストから該当する問題を確認してください。
システムファイルの破損
システムファイルが破損している場合、Windowsが正常に起動しない深刻なトラブルが発生します。この問題は、電源の急な遮断や不完全なWindowsアップデートなどが原因となり、OSの重要なファイルが損傷することで引き起こされます。特に、システムが起動できない状態が続くと、データへのアクセスが完全に遮断され、重要なファイルやデータが失われるリスクが高まります。
自己修復を試みて失敗すると、データ損失の可能性がさらに高まるため、迅速な対処が必要です。システムファイルの破損が疑われる場合は、早急に専門家やデータ復旧業者に相談することで、データを保護し、適切に復旧するための最善の対応が可能です。
ハードウェアの問題
スタートアップ時にハードウェアの不具合が原因で起動できない場合、特にハードディスク(HDD)やSSD、メモリに問題が発生していると、深刻なデータ消失のリスクがあります。これらのデバイスが物理的に故障している場合、データは破損するか、完全に失われる可能性が高いです。ユーザーが自力で復旧を試みると、さらにダメージを与えるリスクが増大します。
特にハードディスクの物理障害やSSDのコントローラー不良など、専門的な機器や環境が必要な問題は、早急にデータ復旧の専門業者に相談するのが最適な対策です。業者は、クリーンルームや特殊なツールを用いて、データを最大限に保護しながら復旧を試みるため、自己対応による取り返しのつかないデータ損失のリスクを避けることができます。
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ブートセクタの問題
ブートセクタが破損していると、Windowsが起動できません。ブートセクタは、MBRやGPTに関連する重要な部分で、これが壊れると起動プロセス全体が停止します。
ウイルス感染
ウイルスやマルウェアがシステムに感染すると、スタートアップのプロセスを妨害し、Windowsが起動しなくなることがあります。この場合、セーフモードでの起動とウイルススキャンが必要です。
ドライバやソフトウェアの競合
最近インストールしたドライバやソフトウェアが競合し、起動しなくなることがあります。特に互換性のないドライバが原因である場合、これを削除または更新する必要があります。
スタートアップフォルダの不具合
Windows 10のスタートアップフォルダが正しく動作しない場合、プログラムが自動で起動しない、またはスタートアップボタンが動作しないというトラブルが発生します。スタートアップフォルダの問題を解決する方法を以下に紹介します。
スタートアップが起動しない時の対処法
ここでは、各原因に対応する具体的な対処法を説明します。手順に従って解決を試みてください。
システムファイルの修復
システムファイルが破損している場合、Windowsの回復環境(WinRE)を使用して修復を試みることができます。
- コンピュータを再起動し、起動時にF8キーを連打して回復オプションを表示します。
- 「スタートアップ修復」を選択し、自動的にシステムの修復を行います。
- これでも解決しない場合、コマンドプロンプトを開き、SFC /scannowを実行してシステムファイルの修復を試みます。
ハードウェアの診断
ハードウェアに問題があると、Windowsが起動できなかったり、パフォーマンスが著しく低下することがあります。
特にハードディスクやメモリの故障は、深刻なデータ損失を招く可能性があるため、早めに診断を行うことが重要です。以下の手順に従って、ハードウェアの診断を実施しましょう。
- コンピュータの電源を入れた直後、F12キーを数回押し、ブートメニューを表示します。
- ブートメニューが表示されたら、矢印キーを使用して「Diagnostics(診断)」オプションを選択し、Enterキーを押します。
- 「Pre-boot System Assessment(システムの事前診断)」が自動で開始され、メモリやハードディスク、グラフィックカードなどのハードウェアがチェックされます。これには数分かかる場合があります。
- 診断中、画面に異常が検出された場合は、エラーコードが表示されます。例えば、ハードディスクに問題がある場合は、「Error Code 2000-0142」といったコードが表示され、問題箇所を特定できます。
- もしも異常が検出された場合は、問題のあるハードウェアを交換する必要があります。ハードディスクやSSDに問題がある場合は、すぐに操作を中断し、データ復旧業者に依頼してデータを安全に取り出すことを強く推奨します。
ブートセクタの修復
ブートセクタとは、ハードディスクやSSDの最初のセクタに位置するデータで、OSの起動を開始するための重要な情報が含まれています。ブートセクタが破損していると、Windowsが正常に起動しなくなります。この問題は、主に突然の電源障害や不完全なシステム更新が原因です。以下の手順で、ブートセクタを修復することができます。
- まず、コンピュータを再起動し、Windows回復環境(WinRE)を起動します。これを行うには、起動時にF8キーを連打し、表示されるメニューから「トラブルシューティング」を選択します。その後、「詳細オプション」から「コマンドプロンプト」を選びます。
- 「コマンドプロンプト」が開いたら、次のコマンドを一つずつ順に入力してEnterキーを押します:
- bootrec /fixmbr – このコマンドは、マスターブートレコード(MBR)を修復します。MBRは、ディスクのパーティション情報を管理し、OS起動時に重要な役割を果たします。
- bootrec /fixboot – こちらは、ブートセクタ自体を修復し、破損した起動情報を上書きします。
- bootrec /rebuildbcd – これは、Windowsのブート構成データ(BCD)を再構築します。これにより、OSが正しく認識されるようになります。
- すべてのコマンドを実行したら、コマンドプロンプトを閉じてシステムを再起動します。これにより、ブートセクタが修復され、Windowsが正常に起動する可能性があります。
これらの手順でブートセクタを修復できない場合、物理的な障害や深刻なソフトウェアの問題が原因の可能性があります。この場合は、早急にデータ復旧の専門家に相談することをおすすめします。
ウイルスの除去
ウイルスが原因で起動できない場合、セーフモードで起動してウイルススキャンを行います。
- 電源を入れ、F8キーを押して「セーフモード」で起動します。
- ウイルス対策ソフトで完全スキャンを実行します。
- 検出されたウイルスやマルウェアを削除し、再起動します。
ドライバの更新・削除
ドライバが原因の場合、セーフモードで起動してドライバの更新または削除を行います。
- セーフモードで起動し、デバイスマネージャーを開きます。
- 問題のあるドライバを右クリックし、「更新」または「削除」を選択します。
- 再起動後に、ドライバを再インストールします。
スタートアップフォルダの修復
スタートアップフォルダが正常に動作しない場合、以下の方法で問題を修復します。
方法1:プログラムを再インストールする
スタートアップフォルダが機能しない原因となっているプログラムを再インストールすることで、問題を解決する場合があります。
- Cortanaの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力し、メイン画面を開きます。
- 「プログラム」を選択し、「プログラムのアンインストール」をクリックします。
- 問題のあるプログラムを右クリックし、「アンインストール」を選択します。
- プログラムを再インストールし、エラーが解決されたか確認します。
方法2:レジストリの修正
スタートアップフォルダの問題が解決しない場合、レジストリエディタを使用して修正を行うことができます。
- 「Windows+R」キーを押し、「Regedit」と入力してレジストリエディタを起動します。
- 「Run」フォルダを探し、右クリックして「新規」→「文字列値」を選択します。
- 作成したファイルを右クリックし、「修正」を選び、起動時に実行したいプログラムのパスを追加します。
自力で対応できない/確実にデータ復旧を行う場合、データ復旧業者に依頼する
ハードディスクやSSDに物理的な損傷がある場合、自力での対応は困難です。その際は、クリーンルーム技術を持つデータ復旧専門業者に相談するのが最も安全です。
ただし、ご自身の機器がデータ復旧可能かどうか、費用はどれくらいかかるのか、復旧にどれほどの時間が必要かなどの情報は、直接データ復旧業者に相談しないと分かりません。データ復旧を検討している場合は、一度相談してみることをおすすめします。
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よくある質問
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この記事を書いた人
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HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。