Windowsには「復元ポイント」を活用したシステムの復元機能が備わっており、パソコンの不具合やエラー発生時にシステム状態を過去のポイントへ戻すことができます。この記事では、データ消失リスクが高まっている状況でも効果的にシステムを復元する方法を詳しく解説します。
特に、ハードウェアエラーなどの物理的な障害に直面している場合は自己判断での対応が難しいことがあるため、専門業者への相談も視野に入れておきましょう。
目次
Windowsで「システム復元」が必要になるケース
復元ポイントとは、システムの特定の状態を保存しておく機能です。これにより、問題が発生した場合に以前の状態に戻すことが可能です。
これはパソコンの動作に異常が出た際や、ソフトウェアのインストール後にエラーが発生した場合に効果的ですが、すべてのケースで復元が有効とは限らないため、症状に応じた対処法が必要です。
Windowsでシステム復元が必要になるケースは次の通りです。
ソフトウェアの不具合によるエラー
特定のソフトウェアをインストールや更新する際に、不具合が原因でシステムに問題が発生することがあります。たとえば、新しいソフトウェアのインストールが原因で動作が重くなる、システムが応答しなくなるなどのトラブルが発生することが考えられます。
システム設定の変更が原因
システム設定の変更により、パソコンが安定しなくなることがあります。特に、レジストリの変更や重要な設定の誤った変更はシステムに大きな影響を与える可能性があり、復元ポイントを利用することで以前の設定に戻すことが可能です。
ウイルス感染やマルウェアの影響
ウイルスやマルウェアの感染は、システム全体に悪影響を及ぼし、データの破損や消失を引き起こす可能性があります。復元ポイントを使用すれば、ウイルス感染前の状態に戻すことができますが、感染後のファイルも戻ってしまうため、ウイルス駆除ソフトの併用が推奨されます。
ドライバの更新失敗
ドライバの更新がうまくいかない場合、動作の不具合が生じることがあります。特に、古いドライバから新しいドライバに切り替えた際に、互換性がない場合はトラブルの原因となります。
ハードウェアの問題
ハードウェアの物理的な故障が原因でデータが破損することがあります。この場合、システムの復元だけでなく、データ復旧専門業者への相談も検討しましょう。自己判断での対応は難しく、データ消失のリスクをさらに高める可能性があります。
システム復元の具体的な手順
システムに不具合が発生した場合、復元ポイントを活用して問題を解消することができます。以下の手順を参考に、エラー発生時の対応を行ってください。
復元ポイントの確認と設定
システムに復元ポイントが設定されているかを確認することは、トラブル対処を迅速に行うための第一歩です。未設定の場合は、手動で設定を行いましょう。
- スタートメニューを開き、「システムの保護」と入力して選択します。
- 「システムのプロパティ」ウィンドウで、「構成」ボタンをクリックします。
- 「システムの保護を有効にする」を選択し、OKを押して設定を完了します。
システムの保護の有効化
システムの保護機能がオフになっている場合、復元ポイントが自動作成されません。有効化することで、システムの状態を自動保存できるようになります。
復元ポイントを用いたシステムの復元
復元ポイントを使用してシステムを元の状態に戻す手順を解説します。これにより、エラーが発生する前の状態に戻ることができます。
- 「システムの保護」メニューを開き、「システムの復元」を選択します。
- 「次へ」をクリックし、表示された復元ポイントから希望するものを選びます。
- 選択内容を確認し、「完了」を押して復元を開始します。
セーフモードでの復元実行
通常の状態で復元ができない場合、セーフモードを使用してシステムを復元することでトラブルを回避できることがあります。セーフモードでは、システムが最低限の機能のみで起動されるため、問題の発生しにくい環境で復元を実行できます。
- 「スタートメニュー」を開き、「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」を選択します。
- 「今すぐ再起動」ボタンをクリックし、オプション画面に移行します。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」を選び、再起動します。
- 再起動後の選択画面で、「4」または「5」を押してセーフモードで起動します。
- セーフモードが起動したら、通常のシステム復元手順(T3の手順)を実行します。
ドライバの更新と適用
システムの不具合の多くは、ドライバの互換性や古いバージョンに起因しています。最新のドライバに更新することで、システムの安定性が向上し、不具合を解消できる可能性があります。ドライバの更新は、各デバイスのメーカーサイトやWindows Updateから行うことができます。
- 「デバイスマネージャー」を開きます(スタートメニューに「デバイスマネージャー」と入力して選択)。
- 更新したいデバイス(例:ディスプレイアダプター、ネットワークアダプター)を右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーの自動検索」を選び、最新バージョンがあれば自動でインストールされます。
- 適用後、PCを再起動し、問題が解消されているか確認します。
専門業者によるデータ復旧
ハードウェアの物理的な障害やデータが重要な場合、自分でのデータ復旧作業はリスクが伴います。誤った操作でデータがさらに破損する可能性があるため、安全にデータ復旧を行うには専門業者への依頼が推奨されます。
- データ復旧を依頼する業者を選び、事前に見積もりを依頼します。
- 重要なデータやドライブにアクセスしないようにし、通電も控えます。
- 必要な場合、HDDやSSDなどの記憶媒体を取り外し、適切な梱包を行ってから業者へ送付します。
- 業者の診断結果と見積もりを確認し、同意後に作業を依頼します。
- 復旧作業が完了し、データが返送され次第、内容を確認します。
※信頼できるデータ復旧業者の利用をお勧めします。
データが必要な場合、データ復旧の専門業者に相談する
紹介したツールを使用しても修復できない、もしくは深刻な物理的な故障が発生した場合、自己解決を試みると、状況を悪化させるリスクがあるため、データ復旧業者に相談することを強く推奨します。
ただし技術力のない業者に依頼するリスクは高く、物理的にメモリチップを傷つけてしまう可能性もあります。業者選びは料金の安さではなく、技術力と実績を基準にするべきです。
信頼できる業者を選ぶためには、以下の点を重視しましょう。
- 豊富な実績を持ち、さまざまなトラブルに対応可能
- 論理障害と物理障害の両方に対応できる
- 最新の解析ツールと設備を使いこなしている
- 厳重なセキュリティ体制を整えている
当社は、46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)を持ち、経験豊富な専門アドバイザーが対応しています。24時間365日、電話受付と無料診断を行っておりますので、いつでも安心してご相談ください。相談から初期診断・お見積りまで無料でご案内しておりますので、まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。