SSDのクローン作成に失敗することは珍しくありませんが、正しい手順を踏むことで再試行が可能です。この記事では、失敗時の対処方法と再試行のための具体的な手順を詳しく解説します。焦らず順を追って進めてください。
目次
クローンの失敗がデータ消失に繋がるリスク
クローン作成の失敗は、単に作業が止まるだけでなく、元データやターゲットSSDが破損する原因になる場合もあります。このようなトラブルを防ぐためには、事前準備と確認が重要です。また、万が一の失敗に備えてデータのバックアップを必ず行いましょう。
データが消失した場合や問題が解決しない場合には、専門のデータ復旧サービスへの相談を検討することもおすすめです。
SSDでクローン作成が失敗する主な原因
SSDでクローン作成を行う際、失敗してしまうケースが多々ありますが、その主な原因を理解しておくことで、作業をスムーズに進めることができます。
SSDでクローン作成が失敗する主な原因は次の通りです。
接続不良
USB接続を使用してクローン作成を行う場合、ケーブルやポートの物理的な不具合が原因で作業が途中で失敗することがあります。特に、劣化したケーブルや安定しないポートを使っている場合は注意が必要です。
信頼性の高いケーブルやポートを利用し、可能であれば内蔵接続を選ぶことで、接続不良によるトラブルを防ぐことができます。作業前に接続状況を確認し、安定しているかテストすることが重要です。
ターゲットSSDの容量不足
クローンを作成する際に、ターゲットSSDの容量がソースディスクよりも小さい場合、作業は途中で失敗します。
この問題を回避するには、クローン前にターゲットSSDの容量を確認し、十分な空きがあることを確認してください。また、ソースディスク上の不要なデータを削除することで、必要な容量を減らすことも効果的です。
セキュリティソフトの干渉
セキュリティソフトがクローン作成のプロセスを妨害することがあります。特に、リアルタイム保護やバックグラウンドでのウイルススキャンが影響する場合があります。
このような干渉を防ぐためには、クローン作成中にセキュリティソフトを一時的に無効化するか、クローン作成ソフトをセキュリティソフトのホワイトリストに追加してください。
スリープモードによる中断
クローン作成中にPCがスリープ状態に入ると、作業が中断される可能性があります。これによりデータの一部が破損するリスクもあります。
クローン作成を始める前にPCの電源設定を見直し、スリープモードや省電力モードを無効化してください。また、作業中はバッテリー駆動ではなく、AC電源を使用することで安定した作業環境を確保することが推奨されます。
ソフトウェアの設定ミス
クローン作成に使用するソフトウェアの設定ミスも失敗の原因となります。例えば、セクタバイセクタコピーを選択する必要がある場合に他のモードを選んでしまうと、正確なクローン作成ができません。使用するソフトウェアのマニュアルを事前に確認し、正しい設定を選択するよう注意してください。
初心者の場合は、自動設定を利用することでミスを防ぐことができます。
クローン作成に失敗後に準備すべきこと
以下の手順で、失敗後のSSDやHDDの状態を確認し、再試行の準備を整えます。
1. 元のHDDに戻す
クローン失敗後も元のHDDにデータが残っている場合、元のHDDを接続して作業を継続します。
2. SSDの未割り当て領域を処理する
失敗後、SSDが未割り当て領域の状態になることがあります。
- 「ディスクの管理」を開きます。
- SSDの未割り当て領域を右クリックして「新しいシンプルボリューム」を作成します。
- ウィザードに従い、SSDを再初期化します。
クローン作成をやり直す方法
以下の方法でクローン作成を再試行してください。
セキュリティソフトを無効化する
クローン作成時には、セキュリティソフトを一時的に無効化してください。
- セキュリティソフトの設定画面を開きます。
- リアルタイム保護機能をオフに設定します。
- クローン作成後、再度オンに戻してください。
スリープ設定を無効化する
クローン作成中にPCがスリープしないように設定を変更します。
- 「設定」から「システム」を選択します。
- 「電源とスリープ」で「スリープ」を「なし」に設定します。
セクタバイセクタクローンを試す
通常のクローンが失敗する場合、セクタバイセクタクローンを選択してください。
- クローン作成ソフトを開き、ターゲットディスクを選択します。
- 「セクタバイセクタクローン」を選択し、手順に従って進めます。
BIOS設定を確認する
クローン後のSSDを正しく認識させるため、BIOS設定を確認します。
- PCを再起動し、BIOSにアクセスします(通常はF2またはDeleteキー)。
- 起動順序でSSDを最優先に設定します。
- 必要に応じて、UEFIまたはLegacyモードを選択します。
スタートアップ修復を実行する
クローン後にSSDが起動しない場合、スタートアップ修復機能を使用してください。
- Windowsインストールメディアを挿入してPCを起動します。
- 「トラブルシューティング」から「スタートアップ修復」を選択します。
- 修復が完了したら、SSDからの起動を確認します。
クローン作成に失敗した際は、以下の点に注意してください。
- データバックアップ: 元のHDDのデータは必ずバックアップを取る。
- 十分な時間を確保: クローン作成には時間がかかるため、作業時間を確保する。
- 互換性の確認: ソフトウェアやハードウェアの互換性を確認する。
これらの方法を試してもクローン作成が成功しない場合は、SSDやソフトウェアの互換性の問題、またはハードウェアの不具合の可能性があります。その場合は、別のソフトウェアを試すか、専門家に相談することをお勧めします。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
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特に重要なデータが含まれている場合は、データ復旧の専門家に相談することが最も安全で確実な方法です。データ復旧業者では、機器に発生している症状をもとにエンジニアが正確な初期診断を行い、故障原因を特定することが可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。