ディスククローンに失敗したSSDが初期化できない場合、原因を特定し適切な対処を行うことで問題を解決できます。この記事では、主な原因と具体的な解決方法を解説します。
目次
SSDの初期化・フォーマットができない主な原因
SSDの初期化ができない問題はさまざまな原因が考えられます。それぞれの原因を把握し、適切な対処を行うことが重要です。以下に主な原因を詳しく解説します。
クローン作業中の中断や電源切断
クローン作業が途中で中断されると、SSD内のデータが不完全な状態となり、初期化やフォーマットができなくなります。
- 例: 停電や誤操作でクローン作業が終了しなかった場合。
- 対策: クローン作業中は電源供給が安定していることを確認し、スリープモードを無効化する。
ファイルシステムの破損
突然の電源断やシステムエラーが原因で、SSDのファイルシステムが破損し、「RAW」として認識される場合があります。
- 例: OSがSSDを「未初期化」または「不明」と表示。
- 対策: Windowsのコマンドプロンプトで
chkdsk
を実行し、ファイルシステムを修復する。
SSDの書き込み保護
SSDが書き込み保護状態にある場合、初期化やフォーマットができません。
- 例: ディスク管理ツールでSSDが「読み取り専用」と表示される。
- 対策:
Diskpart
コマンドで書き込み保護を解除。
パーティションテーブルの破損
不完全なクローン作成や誤った操作によって、パーティションテーブルが破損し、SSDが「不明」と表示されることがあります。
- 例: 「ディスクの管理」でSSDが「不明」と表示される。
- 対策:
Diskpart
コマンドまたはサードパーティツールを使用してMBRを再構築する。
SSDの物理的な不具合
SSD内部のハードウェア(コントローラーやメモリチップ)が物理的に損傷している場合、データの読み書きができず、初期化が失敗します。
- 例: SSDが接続されても認識されない。
- 対策: 専門業者に依頼し、物理的損傷の修理やデータ復旧を検討する。
ドライバーやファームウェアの不具合
古いドライバーや互換性のないファームウェアが原因で、SSDが正しく認識されない場合があります。
- 例: SSDがBIOSやOSで認識されない。
- 対策: デバイスマネージャーでドライバーを最新の状態に更新し、SSDメーカーの公式サイトから最新のファームウェアを適用する。
ウイルス感染やマルウェア
ウイルス感染によりSSDのデータが破損し、初期化ができなくなる場合があります。
- 例: ファイルが突然消失し、SSDが「未割り当て」と表示される。
- 対策: 信頼できるウイルス対策ソフトでSSDをスキャンし、感染を取り除く。
データ消失を避けるための注意点
SSDの初期化を試みる前に、以下の点に注意してください。
重要なデータをバックアップ
初期化やフォーマットを行うと、すべてのデータが消失するため、事前にデータをバックアップしてください。
慎重な操作
誤ったコマンドやツールの使用を避け、公式ツールや信頼できる手法を用いる。
専門業者への相談
物理的な不具合やデータ消失が懸念される場合は、専門のデータ復旧業者に依頼することを推奨します。経験豊富な業者であれば、適切な診断ツールと豊富な経験で原因を特定し、最適なデータ復旧方法を提案できます。当社の場合、15,000種類以上のデータ障害パターンに対応した豊富な経験を基に、迅速で無料の初期診断を提供しています。
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SSDの初期化問題は、多くの場合適切な対処を行うことで解決できます。しかし、物理的な損傷や深刻なデータ損失が疑われる場合には、自己対応を試みる前に専門家に相談することが最善です。
ディスククローン失敗後のSSD初期化方法
以下の手順でSSDの初期化を試してください。
Diskpartを使用する
WindowsのDiskpartコマンドを使用してSSDを初期化します。
- 「コマンドプロンプト」を管理者権限で起動します。
- 以下のコマンドを順に入力します。
diskpart list disk select disk X (Xは対象SSDの番号) clean create partition primary format fs=ntfs quick assign letter=Y (Yは任意のドライブ文字)
- 作業が完了したら、SSDが正常に認識されるか確認します。
ディスクの管理ツールを利用する
Windowsのディスク管理ツールを使用して初期化を行います。
- 「Windowsキー + X」を押し、「ディスクの管理」を選択します。
- 対象のSSDを右クリックし、「ディスクの初期化」を選択します。
- 初期化後、新しいパーティションを作成し、フォーマットします。
サードパーティツールを使用する
AOMEI Partition AssistantやEaseUS Partition Masterなどのサードパーティツールを使用します。
- ソフトウェアをインストールし起動します。
- SSDを選択し、「全パーティションを削除」を実行します。
- 新しいパーティションを作成し、フォーマットします。
書き込み保護を解除する
Diskpartを使用してSSDの書き込み保護を解除します。
- 「コマンドプロンプト」を管理者権限で起動します。
- 以下のコマンドを入力します。
diskpart list disk select disk X attributes disk clear readonly
- 保護が解除されたことを確認します。
メーカー提供の専用ツールを使用する
各メーカーが提供するSSD専用ツールを使用します。これらのツールは、SSDの状態確認や初期化を容易に行えます。
- Samsung Magician(Samsung製SSD用)
- Crucial Storage Executive(Crucial製SSD用)
- WD Dashboard(Western Digital製SSD用)
注意点
- 重要なデータをバックアップする: 初期化前に、データをバックアップしてください。
- 慎重に作業を進める: 初期化中に中断や電源切断を避ける。
- 物理的損傷の場合: 自力での対応を控え、専門業者に相談する。
これらの方法を試すことで、ディスククローンに失敗したSSDの初期化問題を解決できる可能性があります。解決できない場合は、物理的な故障が疑われるため、専門家に相談することを検討してください。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ消失のリスクを最小限に抑え、確実にデータを取り出すためには、自己診断や修復を試みず、速やかに専門家に相談することが重要です。専門家は適切な診断ツールと経験を持っており、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。
特に重要なデータが含まれている場合は、データ復旧の専門家に相談することが最も安全で確実な方法です。データ復旧業者では、機器に発生している症状をもとにエンジニアが正確な初期診断を行い、故障原因を特定することが可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。