SSDの劣化は、パフォーマンスの低下やデータ損失を引き起こす可能性があるため、早期に状態を確認し、適切な対処を行うことが重要です。
この記事では、SSDの劣化原因や確認方法、さらに劣化を防ぐための対処法を解説します。
目次
SSDの劣化原因
SSDの劣化を招く主な原因は、以下の通りです。
書き込みサイクルの限界と劣化の進行
SSDの基盤であるフラッシュメモリは、限られた回数しかデータを書き込むことができません。各セルの寿命には限界があり、
特にMLC(Multi-Level Cell)やTLC(Triple-Level Cell)は、SLC(Single-Level Cell)に比べて耐久性が低いため、頻繁な書き込みが劣化を加速させます。例えば、データを頻繁に更新するシステムでは、特定のメモリセルに集中して負荷がかかり、これが寿命を縮める原因となります。
電気的負荷と劣化の加速
SSDはデータの読み書き時に微小な電気的負荷を受けますが、これが繰り返されることでメモリセルの劣化を促します。特に高負荷な作業や連続的な書き込みを行う環境では、この電気的ストレスが大きくなり、寿命が短縮するリスクが高まります。
また、長時間の使用や負荷がかかるプロセスではSSDの内部温度が上昇し、セルに与えるダメージが増大します。そのため、定期的な使用負荷の見直しと、不要な書き込みを抑える運用が推奨されます。
温度とパフォーマンスの関係
SSDの内部温度が高すぎると、パフォーマンスが低下し、データ保持の信頼性も損なわれます。特に冷却が不十分な環境では、内部の熱がこもり、劣化が急速に進行することが確認されています。
冷却ファンが不足しているPCやサーバーでは、SSDの寿命を延ばすために適切な冷却対策を講じることが重要です。ヒートシンクの取り付けや、ケース内のエアフローを改善することで、SSDを適切な温度範囲内で運用することが可能になります。適正な温度管理を徹底することで、SSDのパフォーマンスを長期間にわたって維持できます。
SSDのS.M.A.R.T.情報を確認する方法
SSDの劣化を早期に把握するため、CrystalDiskInfoを使ったS.M.A.R.T.情報の確認が効果的です。
S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis, and Reporting Technology)は、ストレージデバイスの健康状態を示す自己診断機能で、障害を未然に発見する手助けとなります。
- CrystalDiskInfoの公式サイトからソフトウェアをダウンロードし、インストールする。
- アプリケーションを起動し、接続されているSSDの一覧から確認したいドライブを選択する。
- 表示されるS.M.A.R.T.情報を確認し、劣化の兆候がないかチェックする。
注目すべきS.M.A.R.T.項目
CrystalDiskInfoで表示されるS.M.A.R.T.情報には、SSDの健康状態を判断するために重要な指標があります。以下の項目を重点的にチェックしましょう。
- Reallocated Sector Count(再配置済みセクタ数):
劣化したセクタが別の場所に置き換えられた数を示します。この数が増加すると、SSDの寿命が縮んでいる可能性があります。 - Wear Leveling Count(磨耗平準化カウント):
SSDのセルがどの程度使用されているかを示します。数値が高くなるほど、セルの劣化が進行しています。 - Power-On Hours(通電時間):
SSDが使用された累積時間を表します。長時間使用されているSSDは、劣化が進んでいる可能性が高くなります。 - Temperature(温度):
現在の温度が高すぎると、SSDの劣化を加速させます。温度が推奨範囲を超えないように監視しましょう。 - Total Host Writes(総書き込みバイト数):
ホストデバイスによって書き込まれたデータの総量を示します。過度な書き込みは寿命を縮めるため、数値が急激に増加していないか確認します。
劣化を発見した場合の対策
もしS.M.A.R.T.情報で劣化の兆候が見つかった場合は、以下の対応を早急に行うことをおすすめします。
- 重要なデータのバックアップを即座に行う。
- ファームウェアのアップデートを実施し、性能を改善する。
- SSDの交換を検討する。
CrystalDiskInfoを活用することで、SSDの健康状態を定期的に把握し、劣化を早期に発見することができます。劣化が進んでいると判断した場合は、データのバックアップを最優先に行い、必要に応じて新しいSSDへの交換も検討しましょう。
万が一、SSDが動作不良を起こした場合は、専門家への相談をお勧めします。自己対応によるデータ損失を防ぐためにも、早めの対応が重要です。
弊社では安心してサービスを利用できるよう初期診断を無料で提供するなど、サポート体制を整えており、電話受付も365日24時間対応しているため、いつでも困ったときにご連絡いただけます。データトラブルにお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
CrystalDiskInfoを活用することで、SSDの健康状態を定期的に把握し、劣化を早期に発見することができます。特にPCがSSDを認識しなくなった場合、物理的な損傷の可能性があります。データが必要な場合は専門業者への相談を検討しましょう。
ただし技術力のない業者に依頼するリスクは高く、物理的にメモリチップを傷つけてしまう可能性もあります。
業者を選ぶ際は、料金の安さではなく、技術力と実績を基準にするべきです。信頼できる業者を選ぶためには、以下の点を重視しましょう。
- 豊富な実績を持ち、さまざまなトラブルに対応可能
- 論理障害と物理障害の両方に対応できる
- 最新の解析ツールと設備を使いこなしている
- 厳重なセキュリティ体制を整えている
当社は、46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)を持ち、経験豊富な専門アドバイザーが対応しています。24時間365日、電話受付と無料診断を行っておりますので、いつでも安心してご相談ください。相談から初期診断・お見積りまで無料でご案内しておりますので、まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。