SSDが未割り当て状態になると、データにアクセスできなくなり、データ損失のリスクが高まります。
この記事では、SSDが未割り当て状態になる原因と、復旧手順について解説します。特に、SSDの特性やハードウェア故障によるリスクを考慮した対処法を紹介します。
目次
SSDが未割り当て状態になる原因
SSDが未割り当て状態になる理由を理解することは、問題解決への第一歩です。以下では、SSDが未割り当て状態に陥る主な原因を詳しく紹介します。
初期化不足
新しいSSDは通常、出荷時に未割り当て状態で提供されます。この状態では、データの保存ができません。初期化を行わない限り、SSDは使用できません。パソコンに接続した際に未割り当てと表示される場合、まずは初期化を行う必要があります。
パーティションの削除
誤って既存のパーティションを削除した場合、その領域は「未割り当て」として認識され、データにアクセスできなくなります。
通常、パーティション削除はユーザーの操作ミスや、システムの不具合が原因となることがあります。削除されたパーティション内のデータはそのまま残っていることが多いため、適切な復旧手順を踏めばデータを取り戻すことが可能です。
ファイルシステムの破損
システムの不具合や不適切なシャットダウンにより、ファイルシステムが破損することがあります。このような破損が原因でSSDが未割り当て状態として認識されることがあります。
ファイルシステムの破損は、特にデータアクセスの際にエラーを引き起こすため、迅速な対処が必要です。
ハードウェアの故障
SSD自体の物理的な故障や接続不良も、未割り当て状態を引き起こす原因となります。特に、SSDの内部回路やNANDフラッシュメモリが故障すると、データアクセスができなくなり、未割り当てとして表示されることがあります。このような状況では、SSDのハードウェア故障がデータ損失リスクを大幅に高めるため、早急な対応が不可欠です。
さらに、SSDはHDDと異なり、書き込み回数に制限があるため、過剰に書き込みが行われると寿命が短くなります。SSDのNANDフラッシュは使用されるたびに劣化し、最終的に書き込みができなくなることがあります。
以下の点を理解し、適切なメンテナンスを行うことが、データを守るための鍵となります。
- SSDには書き込み回数に限度がある
- 頻繁な書き込みにより、NANDフラッシュメモリが劣化する
- 書き込み回数が多いと、最終的にデータの書き込みができなくなる
この特性を理解し、定期的にバックアップを取ることが、重要なデータを守るために非常に重要です。
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SSDが未割り当て状態になった際の対処法
SSDが未割り当て状態に陥った場合、データを失わないためには迅速に適切な対処をすることが重要です。以下では、未割り当て状態からデータを守るために実施すべき具体的な手順を紹介します。
データ復旧ソフトを使用する
最初に試すべきは、データ復旧ソフト（例：Disk Drill）を使用して未割り当て領域をスキャンし、復元可能なデータをリストアップすることです。
特にファイルシステムが破損していても、高い確率でデータ復旧が可能です。復旧したデータは、別のドライブに保存することをお勧めします。
- データ復旧ソフトをダウンロードしてインストールします。
- 未割り当て状態のSSDをソフトウェアに認識させ、スキャンを開始します。
- スキャンが完了したら、復元したいファイルを選び、別の場所に保存します。
ディスク管理ツールでのパーティション作成
データ復旧後、ディスク管理ツールで新しいパーティションを作成する必要があります。ディスク管理ツールは未割り当て状態を解消し、SSDを正常な状態に戻します（新しいパーティションを作成する際には、NTFSなど適切なフォーマットを選ぶことが重要です）。
- Windowsキー + Rを押して「diskmgmt.msc」と入力し、ディスク管理を開きます。
- 未割り当て領域を右クリックし、「新しいシンプルボリューム」を選択します。
- ウィザードに従ってパーティションサイズやフォーマットを設定します。
CHKDSKコマンドの実行
もし、SSDにファイルシステムのエラーが原因で未割り当て状態になっている場合は、CHKDSKコマンドを実行することで修復できます。
このコマンドは、システムのエラーを修正し、正常な状態に戻す手助けをしてくれます。
- コマンドプロンプトを開き、「chkdsk X: /f」と入力します（Xは対象のドライブの文字）。
- エラーチェックが完了したら、システムの再起動を行います。
ドライバーとファームウェアの更新
SSDが認識されない、または動作不良を起こしている場合、ドライバーやファームウェアが古い可能性があります。これらを最新のバージョンに更新することで、SSDの正常動作を回復できることがあります。
- デバイスマネージャーを開き、SSDのドライバーを更新します。
- 製造元のウェブサイトから最新のファームウェアをダウンロードし、適用します。
専門業者への相談
もし、上記の手順を試しても問題が解決しない場合や、重要なデータが含まれている場合は、データ復旧の専門業者に相談することを強くお勧めします。特に、物理的な故障が疑われる場合、無理に修復しようとすると、データが完全に失われるリスクが高まります。
SSDが未割り当て状態になった場合でも、適切な対処を早急に行うことで、大切なデータを守ることができます。
データ復旧ソフトを使った復旧や、パーティション作成、CHKDSKコマンドの実行など、ステップを踏んで進めれば問題解決の可能性は高くなります。しかし、物理的な故障や深刻な障害がある場合は、専門業者に頼ることが最も安全で確実な方法です。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
