USBメモリは、持ち運びに便利でデータの保存に広く利用されています。しかし、精密機械であるため、様々な原因で故障してしまうことがあります。誤った対処法を行うと状況が悪化することもありますが、原因ごとに適切な対処法を取れば復旧可能な場合もあります。
この記事では、USBメモリのトラブルの原因と対処法について詳しく解説します。
目次
USBメモリが破損する原因
USBメモリの破損原因として、主に以下の3つが挙げられます。
- 接続しているPCの不具合
- 論理障害
- 物理障害
接続しているPCの不具合
PCのUSBポートやドライバーに問題があると、USBメモリが認識されない場合があります。解決策として、USBメモリの製造元サイトからドライバーをインストールしたり、Windows Updateの実行や他のUSBポートへの接続を試みることが推奨されます。
論理障害
論理障害とは、システムの異常によるデータの読み書き不具合のことです。
不適切な取り外しやシステムエラー、データの誤削除が主な原因となります。論理障害の場合、復元ツールやシステム修復でアクセスできることもありますが、上書きによるデータ損失のリスクがあるため、専門業者への依頼が安全です。
物理障害
USBメモリは、一見小さくてシンプルなデバイスに見えますが、その内部は非常に精密に設計されています。メモリチップ、基板、コントローラチップなど、データの保存・処理に関わる細かい部品が一つの小さなケースに集約されています。こうした複雑な構造により、物理的な損傷が発生すると修復の難易度が非常に高くなります。
例えば、落下や衝撃で内部の基板が破損すると、メモリチップとコントローラチップの接続が切れてしまい、USBメモリがパソコンに認識されなくなります。また、水濡れや過電圧によって内部の回路がショートすることもあり、こうした損傷は回路の一部が焼けてしまうこともあるため、通常の手段でのデータ復旧は困難です。
USBメモリの物理的な損傷は高度な技術と専用設備が必要
このように、USBメモリの物理的な損傷は高度な技術と専用設備が必要です。データ復旧の専門業者は、破損した基板やチップを直接扱い、メモリの内容を取り出す特殊な技術を用いるため、データを安全かつ確実に復旧できる可能性が高くなります。
当社は、46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月1日~)を持ち、経験豊富な専門アドバイザーが対応しています。また24時間365日、電話受付と無料診断を行っておりますので、いつでも安心してご相談ください。相談から初期診断・お見積りまで無料でご案内しておりますので、まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
破損したUSBメモリの復旧を行う際の注意点
USBメモリ・USBファイルが破損した場合、不適切な対処を行うと保存データが消失するだけでなく、一切の使用が不可能になってしまう場合があります。
USBメモリの抜き差しを繰り返さない
USBメモリ本体や保存データが認識されない場合、USBメモリを取り外して再度接続を試みるのは、正しい対応です。
しかし、USBメモリの再接続を試しても認識されない、データが消えたままの場合に、何度もUSBメモリの抜き差しを行うことは推奨できません。
理由は、USBメモリには一定回数抜き差しを行うとコネクタが摩耗し、データが完全に認識できなくなるためです。
フォーマットを行わない
USBメモリが正常に読み込めない場合、フォーマット要求のエラーメッセージが表示されます。これはUSBメモリのデータを管理するシステムが破損しており、データの住所が分からなくなっている状態です。
もしフォーマットを実行すると、機器は再び使えるようになりますが、データにアクセスできなくなってしまいます。データが必要な場合はフォーマットを控えてください。
フォーマット後もデータの痕跡は残っていますが、下記の行為を試すと、データの痕跡はどんどん上書きされてしまいます。
- データを追加する
- パソコンの操作を行う
- データ復元ソフトを使う
- 再起動を繰り返す
この場合、データ復旧業者であっても復元が難しくなる可能性が高いです。最も安全にデータ復元を行う場合は、一切の操作を控えてそのままデータ復旧業者にご相談ください。
むやみに復元ソフトを使用しない
データ復元ソフトは、低画質の画像しか復元できないことが多いとされています。また、高性能な有料版復元ソフトでも、修復できるのは論理障害のみで、USBメモリの寿命や破損が原因の物理障害には一切対応できません。
データ復元ソフトを利用してもデータが復元できなかった場合はこちら
むやみに分解や修理をしない
USBメモリの持ち手にあたる部分には、基板が配置され、基盤上にUSBの動作をコントロールする部品やデータを記録するチップが組み込まれています。
基板上には細かな電子回路があるため、分解する過程で電子回路や記録用のチップを破損させる恐れがあります。
分解したUSBメモリのデータ復旧には、内部の部品を傷つけずに修復を行う技術力と、専門知識が必要になるため、個人で分解や修理をする前にデータ復旧の専門業者まで相談しましょう。
破損したUSBメモリ・USBファイルのデータ復旧方法はこちら
USBメモリが壊れた場合の対応フロー
慌てて間違った対処をしてしまうと、データがさらに消失してしまう可能性があります。
USBメモリが壊れた場合の適切な対応フローは次の通りです。
USBメモリが認識しない・読み込まない原因と対処法は下記の記事でも解説しています。
USBメモリの状況を確認する
まず、USBメモリ外装に破損や変形がないか確認します。亀裂、へこみ、曲がりなどがあれば、物理的な損傷の可能性があります。続いて、別のパソコンに接続して、認識されるかどうかを確認します。他のパソコンで認識されれば、パソコン側の問題の可能性もあります。
パソコンに接続している周辺機器(キーボード、マウス、外付けHDD等)が多いと、USBメモリに十分な電力が供給されず認識されないことがあります。周辺機器を取り外し十分な通電を行われる状態にして、USBメモリが認識されるか確認しましょう。
もし、これらの対処法で解決しない場合や、重要なデータが含まれている場合は、無理に復旧しようとせず、専門のデータ復旧業者に相談することをおすすめします。デジタルデータリカバリーなら初期診断を迅速に行い、ご依頼された機器の約8割は48時間以内に復旧完了に成功しています。大切なデータを取り戻すために、ぜひご相談ください。
物理的なダメージへの対応
USBメモリが認識されなくなった場合、気づかないうちに強い衝撃で変形していたり、使用年数が長いUSBメモリの場合は寿命によって認識されなくなることもあります。
物理的に破損している場合、復元ソフトを使用しても復旧はできません。また、物理障害があるUSBメモリに対して何度も修復作業を繰り返すと、状態がさらに悪化し、データの復旧が完全に不可能になることがありますので注意が必要です。
システム的なエラーの対応
USBメモリが認識されている場合は、以下の手順でシステム的なエラーの対応を試みます。USBメモリを別のデバイスに接続して認識された場合にはPC側の不具合が考えられます。
またパソコン側に不具合が考えられる場合には一度パソコンのドライバを削除して、USBメモリを再接続、ドライバーの再インストールを行ってみましょう。方法は以下の通りです。
- [スタートボタン]から「コントロールパネル」を選択し「デバイスマネージャー」を起動する
- 「ユニバーサルシリアルバスコントローラー」を開く
- 「!」、「?」が表示されている該当のドライバー(インストールに失敗したドライバー)を右クリックし「削除」を選択する
- 削除が出来たら、再度USBメモリを接続し、ドライバーが正常にインストールされ、認識されるか確認する
コマンドプロンプトでUSBメモリを修復する
コマンドプロンプトとはパソコンへの命令文を記入する黒いシートです。特定のコマンドを打ち込むことで、パソコンの不具合を改善できる場合があります。
ドライブの破損を調べ、自動修復を試みるコマンドの1つが「チェックディスク(chkdsk)」です。ただし、chkdskはドライブ全体にスキャンをかけるため、パソコン本体に負担がかかります。万が一パソコンに物理障害やchkdskで対処できない論理障害が発生していた場合は、状態が悪化する場合もあるため、試すのは一度きりにしましょう。
- Win+Rキーを同時に押しファイル名を指定して実行のウィンドウを開きます。
- cmdと入力しコマンドプロンプトを起動します。
- 「chkdsk d/f(ドライブ名)」と入力し、Enterで実行します。
また、いつまでもコマンド修復が終わらない場合、重度の障害が発生している可能性がありますので、この際はコマンドプロンプトでの修復作業は極力控え、データ復旧業者まで連絡してください。
データ復旧ソフトを使用する
USBメモリが破損して認識されなくなった場合、データ復旧ソフトを使用して復旧できることがあります。ただ、これは軽度な破損に限られ、物理的破損がある場合は不可能です。
また、意図せず上書きが行われたり、復元したデータが文字化けする可能性があります。これにより、データが二度と復元できなくなるリスクがあるため、注意が必要です。
確実にデータを復旧したい場合にはデータ復旧業者へ相談することをおすすめします。
自力でUSBメモリのデータ復旧ができない場合、データ復旧業者に相談する
USBメモリが寿命などで故障した場合、個人での修復はほぼ不可能です。大切なデータがあるなら、無理な操作は避けて、早急にデータ復旧の専門業者に相談するのが賢明です。
専門業者は、高度な技術を使い、故障したSDカードから安全にデータを復旧します。特に物理的な損傷や通常のソフトで復元できない場合、早めの依頼が復旧成功の鍵となります。
業者を選ぶ際は、無料の初期診断や見積もりがあるか確認することが大切です。
デジタルデータリカバリーは、物理・論理障害のどちらにも対応し、46万件以上の実績(算出期間:2011年1月1日~)をもとに迅速対応しています。無料の初期診断も提供していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。