RAID構成のSDカードを使っていると、データ消失のリスクがつきものです。特にRAID 0などのストライピング構成では、1枚のSDカードが故障するだけで全てのデータが失われる危険性があります。
本記事では、RAID構成のSDカードで発生しやすいデータトラブルの原因と、その復元方法について詳しく解説します。
目次
SDカードのRAID構成で発生するトラブルの原因
SDカードをRAID構成で使用する際には、通常のストレージに比べていくつかの特有のリスクがあります。ここでは、一般的に発生しやすいトラブルについて紹介します。
- 単一のSDカード故障によるデータ消失
- 書き込みエラーや読み込みエラー
- RAIDコントローラーの障害
- カードリーダーの障害
単一のSDカード故障によるデータ消失
RAID 0のようなストライピングを行うRAID構成では、データが複数のSDカードに分散して保存されています。
これにより書き込み速度や読み込み速度が向上しますが、一方で1枚のカードが故障すると全てのデータがアクセス不能になる可能性があります。RAID 0の構成では、冗長性がないため、物理的なSDカードの故障が発生すると、データを復元することは非常に困難です。
書き込みエラーや読み込みエラー
SDカードはフラッシュメモリを使用しているため、書き込みサイクルに制限があります。頻繁なデータの書き込みや読み込みを繰り返すRAID構成では、書き込みエラーが発生する可能性が高くなります。このようなエラーが原因で、データが正しく保存されず、ファイルが破損することがあります。
RAIDコントローラーの障害
RAID構成では、RAIDコントローラーがデータの分散やパリティ情報の管理を行います。しかし、RAIDコントローラーが故障すると、全てのデータがアクセスできなくなる可能性があります。RAIDコントローラー自体がSDカードを正しく認識しない場合、データ消失や破損が発生することがあります。
カードリーダーの障害
RAIDシステムで使用しているカードリーダーが故障すると、全てのSDカードにアクセスできなくなることがあります。特にRAID 0のような構成では、1枚でもカードリーダーが正しく動作しない場合、システム全体がダウンし、データが失われるリスクが高まります。
SDカードをRAID構成で使用する際の注意点
RAID構成のSDカードを使用する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。これにより、データ消失リスクを最小限に抑えることができます。
定期的なバックアップの重要性
RAID構成であっても、定期的にデータを外部のストレージにバックアップすることが重要です。特にRAID 0のような冗長性のない構成では、バックアップが唯一の保険になります。定期的なバックアップを取ることで、SDカードが突然故障した場合にも、最小限のデータ損失で済みます。
高品質なSDカードとカードリーダーの選択
RAID構成で使用するSDカードとカードリーダーは、信頼性の高い製品を選びましょう。低品質な製品は故障率が高く、結果としてデータ消失のリスクが増大します。できるだけ信頼性のあるメーカーの製品を選ぶことをおすすめします。
RAIDの定期的な診断とメンテナンス
RAID構成のSDカードは定期的に診断を行い、異常がないか確認しましょう。RAIDコントローラーやカードリーダーの異常が発見された場合は、速やかに対処することで大きなトラブルを回避できます。
RAID構成のSDカードのデータ復元方法
RAID構成のSDカードが故障しても、データを完全に失わずに復元できる可能性があります。次に、RAID構成のSDカードからデータを復元するための手順を詳しく説明します。
RAID構成の再確認
まず、RAID構成がどのようなレベルで組まれているかを確認します。RAID 0の場合、冗長性がないため、1枚のSDカードが故障している場合は全てのデータが失われる可能性があります。一方、RAID 1やRAID 5の場合、故障したカードを交換することでデータが復元できることもあります。
故障したSDカードの特定
RAID構成でデータ消失が発生した場合、どのSDカードが故障しているかを特定することが重要です。RAIDコントローラーのログや管理ツールを使用して、異常のあるSDカードを確認し、そのカードを取り外して診断を行います。故障しているカードが特定できたら、残りのカードを使ってデータを復元する準備をします。
データ復元ソフトを使用する
SDカードが論理的に故障している場合、データ復元ソフトを使ってデータの回復を試みることができます。Recuvaなどの復元ソフトは、SDカード上の失われたデータを再構築し、アクセス可能な状態に戻すことが可能です。ただし、物理的な損傷がある場合、復元は困難です。
データ復旧業者に依頼する
RAID構成のSDカードが物理的に故障している場合、自力でのデータ復元は難しいため、データ復旧の専門業者に依頼することをおすすめします。特にRAID 0やRAID 5の構成では、データの分散が複雑であるため、専門知識を持つ業者が必要です。
確実にデータ復旧を行う場合は「データ復旧専門業者」に依頼する
デバイスが物理的に損傷している場合や、ソフトでの復元が難しい場合、専門業者に依頼することが最善です。早めに業者に相談することで、データ復旧率を高めることができます。
技術力のあるデータ復旧業者に依頼することには下記のようなメリットがあります。
- データ消失リスクを最小限に抑え、安全にデータを復旧してもらえる。
- 高度な技術を使って、パスワードが解除できない場合でもデータを取り出してくれる。
- 物理障害が発生しているSDカードでも対応可能。
ただ、データ復旧に関する相談は、信頼できる業者に依頼し、初期診断や見積もりを無料で提供している業者を選ぶことをおすすめします。
デジタルデータリカバリーでは、物理障害や重度の論理障害に対応し、正確な初期診断で故障原因を特定します。41万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)に基づき、豊富な知識を活かして即座に対応可能です。
機器別エンジニアによる無料の初期診断も提供していますので、ぜひお気軽にご相談ください。365日24時間対応の電話受付で対応方法を無料でご案内いたします。
官公庁、国立大学法人、上場企業
多くのお客様にご利用いただきました
※ 掲載の許可を得た法人様の一部を紹介させていただいております。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。