SDカードをWindows PCでフォーマットしようとしても、何らかのエラーが発生して操作ができない場合があります。これにはいくつかの原因が考えられ、それぞれの原因に対して適切な対処法を見つけることが重要です。
この記事では、よくある原因と対処法について詳しく説明します。
目次
Windows PCでSDカードがフォーマットできない原因
Windows PCでSDカードがフォーマットできない原因は次の通りです。
SDカードの書き込み禁止が有効になっている
SDカードには書き込み禁止スイッチが備わっている場合があります(上図参照)。このスイッチが有効になっているとカード内のデータの変更や削除ができず、フォーマットも行えません。スイッチの位置を確認し、書き込み可能な状態にすることで問題を解決できます。
>SDカードの書き込み禁止が有効になっているときの対処法はこちら
SDカードに不良セクタが存在する
SDカードの一部に不良セクタが存在する場合、フォーマットが正常に完了しないことがあります。不良セクタは、カードの物理的な損傷や、長期間の使用によって発生することがあり、専門的なツールを使用して修復を試みるか、新しいカードに交換することが推奨されます。
ファイルシステムが破損している
ファイルシステムとは、データを整理・管理・保存するための仕組みです。SDカードのファイルシステムが破損していると、PCでのフォーマットが失敗することがあります。
ファイルシステムの破損は、突然の電源オフや不適切な取り外しが原因で発生することが多く、専用の修復ソフトを使用して修正するか、再フォーマットを試みる必要があります。
SDカードがウイルスに感染している
SDカードがウイルスに感染している場合、フォーマットがブロックされることがあります。ウイルスはカード内のデータやファイルシステムに悪影響を与え、正常な操作を妨げることがあります。この場合は、まずウイルススキャンを行い、感染が確認された場合は適切な対策を講じる必要があります。
SDカードリーダーの不具合
SDカードリーダー自体に問題があると、PCがカードを正しく認識できず、フォーマットもできなくなります。リーダーの接触不良や、ドライバの不具合が原因である可能性があり、別のリーダーを使用するか、ドライバの再インストールを試してみることが有効です。
ただし、これらの原因に当てはまらない場合、機器自体の障害が考えられます。自力での修復が難しい場合は、データ復旧業者に相談しましょう。デジタルデータリカバリーでは、8割のケースで48時間以内に復旧が可能です。お急ぎの方はぜひご相談ください。
Windows PCでSDカードがフォーマットできない時の対処法
SDカードがフォーマットできない場合、以下の対処法を試してみてください。
SDカードがWindows PCでフォーマットできない場合、いくつかの原因が考えられます。ここでは、主な原因とその対処法を詳しく説明します。手順を順番に試すことで、ほとんどの場合、問題を解決することができます。
①書き込み禁止の解除
SDカードの書き込み禁止が有効になっていると、データの変更や削除ができません。これを解除することで、フォーマットが可能になります。物理的なスイッチが原因の場合と、ソフトウェア的な設定が原因の場合があります。以下の手順で、どちらの問題も解決できます。
- SDカードの側面にある書き込み禁止スイッチがONになっていないか確認し、ONになっている場合はOFFにする。
- キーボードの「Windows + R」を押して「ファイル名を指定して実行」を開く。
- 「diskpart」と入力してEnterキーを押す。
- 「list disk」と入力してSDカードのディスク番号を確認する。
- 「select disk X」(XはSDカードのディスク番号)を入力し、Enterキーを押す。
- 「attributes disk clear readonly」と入力して、ソフトウェア的な書き込み禁止を解除する。
- 「exit」と入力してdiskpartを終了する。
②ディスクの管理でフォーマット
Windowsの「ディスクの管理」ツールを使用してSDカードをフォーマットできます。
このツールは、SDカードや他のストレージデバイスのパーティションやボリュームを管理するために使用され、通常のファイルエクスプローラーでは対応できない操作を行うことができます。以下の手順で、SDカードをフォーマットしてください。
ただし、フォーマットを行うとデータはすべて消去されるため、必要なデータがある場合は、必ず事前にバックアップを取ってください。
- 「Windows + R」を押して「ファイル名を指定して実行」を開く。
- 「diskmgmt.msc」と入力してEnterキーを押し、「ディスクの管理」を開く。
- リストからフォーマットしたいSDカードを見つけ、右クリックして「フォーマット」を選択する。
- 「ファイルシステム」から希望する形式(例: FAT32、exFAT)を選び、「クイックフォーマット」をチェックするかしないか選択し、「OK」をクリックしてフォーマットを開始する。
- フォーマットが完了したら、SDカードを安全に取り外す。
③不良セクタのチェックと修復
SDカードに不良セクタがあると、フォーマットが正常に行えないことがあります。この場合、Windowsの「chkdsk」コマンドを使用して不良セクタをスキャンし、修復できるかどうかを確認します。この操作により、読み書き性能が改善される可能性があります。
- 「Windows + X」を押し、「コマンドプロンプト(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を選択する。
- 「chkdsk X: /f /r /x」を入力し、Enterキーを押す(XはSDカードのドライブレター)。
- WindowsがSDカードの不良セクタをスキャンし、修復を試みる。プロセスが完了するまで待つ。
- スキャンと修復が終了したら、コマンドプロンプトを閉じる。
④サードパーティのフォーマットツールを使用
Windows標準のフォーマットツールで問題が解決しない場合、サードパーティ製のフォーマットツールを使用することが効果的です。これらのツールは、より詳細な設定や機能を提供し、特定のフォーマットの問題を解決できることがあります。
- 信頼できるサードパーティのフォーマットツール(例: SDカードフォーマッター)をダウンロードしてインストールする。
- ツールを起動し、フォーマットしたいSDカードを選択する。
- 必要な設定(ファイルシステムの選択など)を行い、「フォーマット」をクリックする。
- フォーマットが完了したら、SDカードを安全に取り外す。
⑤SDカードリーダーの確認
SDカードが認識されない場合、原因はSDカードリーダーにあるかもしれません。リーダーの不具合や接触不良が原因で、カードが正しく認識されず、フォーマットできないことがあります。別のリーダーやPCで試すことで、リーダーの問題かどうかを確認することができます。
- SDカードを別のSDカードリーダーに挿入し、動作を確認する。
- 別のPCにリーダーとSDカードを接続し、カードが認識されるか確認する。
- 別のリーダーやPCで認識される場合、元のリーダーに問題があると判断し、リーダーの交換を検討する。
- リーダーが問題でない場合は、SDカード自体に問題がある可能性が高い。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。