Windows 10のクリップボード履歴機能は、複数のコピー内容を一時的に保存し、再利用を容易にする便利なツールです。
しかし、PCの再起動や操作ミス、設定の誤りなどで履歴が消失することがあります。特に重要なデータが含まれている場合、復元方法を知らないと作業効率の低下やデータ損失のリスクが高まります。
本記事では、クリップボード履歴が消える主な原因を解説し、初心者でも実践できる具体的な復元手順を紹介します。
目次
クリップボード履歴が消える原因
まず、クリップボード履歴が消える原因について確認しましょう。以下の要因が考えられます。
クリップボード履歴機能がオフになっている
Windows 10では、クリップボード履歴を使用するためには、機能を有効化する必要があります。初期設定でオフになっている場合、コピーしたデータは履歴として保存されません。
PCの再起動やシャットダウン
クリップボード履歴機能を利用していても、再起動やシャットダウンを行うと、一部の履歴データが失われることがあります。ピン留めしていないデータは特に消えやすいので注意が必要です。
手動で履歴を削除してしまった
誤操作でクリップボード履歴を削除してしまうことも原因の一つです。クリップボードの履歴画面で「すべてクリア」ボタンを押すと、ピン留めしていないデータが一括削除されます。
クリップボードの容量オーバー
クリップボードの履歴には容量制限があります。大量のデータをコピーすると、古いデータが順次上書きされてしまうため、必要な履歴が消える可能性があります。
Windowsの不具合やバグ
Windows 10の一部バージョンでは、クリップボード履歴が正常に動作しないケースがあります。この場合、更新プログラムの適用や再インストールが必要になる場合があります。
もしも、パソコンの故障が原因と思われる場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
ウイルスやマルウェアの影響
悪意のあるソフトウェアによって、クリップボードの履歴が削除される、またはデータが破壊されることがあります。セキュリティソフトを使用して定期的にスキャンを行いましょう。
クリップボード履歴を復元する方法
クリップボード履歴が消えてしまった場合、以下の対処法を試してみてください。
クリップボード履歴を再有効化する
まず、クリップボード履歴機能がオフになっている場合は、有効化しましょう。手順は以下の通りです。
- [Windows]+[V]キーを押し、「有効にする」を選択する
- または、「設定」→「システム」→「クリップボード」→「クリップボードの履歴をオン」に設定する
この手順を行うことで、以降のデータが履歴として保存されるようになります。
再起動後にピン留め機能を使用する
クリップボードの履歴が消えるリスクを減らすには、重要なデータをピン留めしておきましょう。
- [Windows]+[V]キーでクリップボード履歴を開く
- 保存したいデータの右上にあるピンアイコンをクリックする
- 再起動後もデータが保持されていることを確認する
ピン留めしたデータは、PCのシャットダウン後も消えずに残ります。
データ復元ソフトを使用する
削除された履歴を復元したい場合、データ復元ソフトを利用する方法があります。
- 信頼できるデータ復元ソフト(例: Recuva)をインストールする
- 復元対象として「一時ファイル」や「システムファイル」を選択する
- スキャン結果からクリップボードデータを復元する
ただし、クリップボードに保存されていたデータの種類によっては、復元できない場合もあります。
Windowsのバックアップ機能を確認する
重要なデータをバックアップしている場合、復元が可能です。
- [設定]→[更新とセキュリティ]→[バックアップ]を開く
- 「以前のバージョンのファイルを復元」を選択する
- 復元したいデータを選び、「復元」をクリックする
この機能は、クリップボード以外のデータも含めて復元可能です。
対処法を行うときの注意点
自力で復旧作業をすることによって、かえって状態を悪くすることがあります。紹介した対処法を行う上で、以下のリスクがあることに注意しましょう。
- 何度も通電や電源の入り切りを行うと、HDD自体に障害が起きている場合、傷を更に広げてしまう可能性があります。
- パソコンやハードディスクをそのまま使用していると、データが上書きされていく可能性があります。
- データ復旧ソフトを使用すると元のデータが書き換わってしまうため、ソフト使用後に復旧業者に依頼しても復旧できない可能性が高くなります。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ消失のリスクを最小限に抑え、確実にデータを取り出すためには、自己診断や修復を試みず、速やかに専門家に相談することが重要です。専門家は適切な診断ツールと経験を持っており、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。
特に重要なデータが含まれている場合は、データ復旧の専門家に相談することが最も安全で確実な方法です。データ復旧業者では、機器に発生している症状をもとにエンジニアが正確な初期診断を行い、故障原因を特定することが可能です。プロが対応するため、データ復旧に失敗するリスクを抑えることができます。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
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