PC、SDカード、USBメモリ、外付けHDDなど、どんな記憶媒体でもデータトラブルが起きたとき、復元ソフトを使うのが一つの方法です。
しかし、本当に大事なデータなら、リスクをよく考えて行動しましょう。ソフトを使って誤った操作をすると、データが完全に失われる危険性があります。
この記事では、復元ソフトのメリットとデメリット、使うときの注意点を紹介します。この記事を参考に、安全にデータを復元してください。
目次
データ復元ソフトで復元できない主な症状や原因
データ復元ソフトは多くの場合、失われたファイルを取り戻すのに非常に効果的です。しかし、すべての状況で成功するわけではありません。特定の条件下では、ソフトウェアによる復元が困難または不可能になることがあります。
データ復元ソフトで復元できない主な症状や原因は次の通りです。
①物理的な障害がある場合
HDDから異音(カチカチ、カタカタなど)がする場合や、CRC(巡回冗長検査)エラーが発生している場合、これらはHDDの物理的な損傷を示唆しています。
物理的な障害は、HDD内部の部品が損傷を受けていることが多く、ソフトウェアでの復元は困難です。このような場合は、専門のデータ復旧業者に依頼する必要があります。
デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで365日24時間体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
②データの上書き
データ復元ソフトのインストールや操作ミスによりデータが上書きされた場合、元のデータの復元はほぼ不可能です。特に、無計画な操作を続けることで、さらにデータが上書きされ、完全に失われる可能性があります。データが消失した場合は、速やかに復元作業を行うことが重要です。
③暗号化されたデータ
暗号化されたデータは、復元が非常に困難です。特に、暗号化キーが失われた場合、データ復元ソフトでも復元は不可能です。暗号化されたファイルを復元するためには、暗号化キーが必要となります。
④重度の論理障害
ファイルシステムの破損などの論理的な障害も、データ復元を困難にします。例えば、ディスクのフォーマットやパーティションの誤削除などが原因で、ファイルシステム自体が認識できなくなることがあります。
このような場合、パーティションの修復やディスクの再構築などの専門知識や各種のトラブルに最適な復元ツールによる修復が必要となりますが、自力での修復作業は機器にさらなる負荷をかける可能性があり、データの損失リスクが高まるため、まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
⑤未対応の機器やファイルシステム
データ復元ソフトが対応していない新しい機器や特殊なファイルシステムの場合、復元ができないことがあります。例えば、最新のSSDや特定の企業向けファイルシステムなどが該当します。この場合、対応する復元ソフトが提供されるまで待つか、専門の復旧業者に相談する必要があります。
復元ソフトのメリット・デメリット
データ復元ソフトのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット
- 比較的安価でデータ復旧ができる可能性がある
- 専門業者への依頼よりも手間をかけずにデータ復旧できる可能性がある
- 軽度の論理障害であれば自分で対応できる
デメリット
- 物理障害がある場合に使用すると症状が悪化する危険性がある
- 不慣れなソフトのため、使い方を誤って復旧の可能性を下げてしまう危険がある
- データを上書きしてしまい、完全に喪失させる可能性がある
- 復元に失敗しても補償されない場合が多い
- 復元率が高くても、物理障害や重度の論理障害には対応できない
データ復元ソフトは費用面で負担が少ないメリットがありますが、使用にはリスクも伴います。特に物理障害がある場合や、パソコンに詳しくない場合は、復元ソフトを使用する前に専門家に相談するのが賢明です。
例えばデータ復元ソフトを使う際は、データの「重要度が高くない」か「原因不明で大切なデータ」かを判断しましょう。重要度が高くないデータなら、復元ソフトを使って安価に手軽に復元できます。有料ソフトかフリーソフトかは、評判や機能を確認して選びましょう。大切なデータの場合は、慎重な対応が必要です。
「復旧できなかった」データ復元ソフトで多い失敗事例
データ復元ソフト使用後にご相談いただいたケースを一部ご紹介します。
弊社では、一度データ復旧ソフトを使用してしまった後の機器についても対応可能です。
①「実は物理的な故障が原因だった」
■機器: 外付けハードディスク
■ご相談内容: 画面にフォーマット要求のメッセージが表示されました。PCを再起動したところ問題は解消されたように見えましたが、翌日PCの動作が重くなり、その後データにアクセスできなくなりました。復旧ソフトを使用してみると、データが存在しているように見えますが、試みてもデータを閲覧することができません。
■診断/復旧結果: 磁気ヘッドに物理的な異常が確認されました。専門の設備で部品交換を行い、データの復旧が無事に完了しました。
このケースでは復旧ソフトウェアで対応できない症状でした。通電を続けた場合、症状が悪化し、データ復旧が困難になる可能性が高いため、非常に危険な行為であったと言えます。
②「復旧ソフトを使用したが、全て文字化けしてしまった」
■機器: 外付けハードディスク
■ご相談内容: 機器が高温環境にさらされた後、フォーマットを要求されるようになりました。復旧ソフトの復元機能を使用してデータを救出しようとしましたが、文字化けが発生し、元のデータを全く読み取れませんでした。
■診断/復旧結果: 機器の異常によりシステム障害が発生していました。専門のツールを使用した復旧作業により、データは無事に復旧しました。
このケースでは機器の異常が発生し、復旧ソフトウェアが効果的に機能しない状況でした。データを上書きしてしまう可能性もあったため、使用に際しては注意が必要です。
③「データ復旧ソフトを使用したが、復旧できなかった」
■機器: 外付けSSD
■ご相談内容: 復旧ソフトを使用したものの、「ファイルまたはディレクトリが壊れているため開けません」というエラーメッセージが表示されます。一度シャットダウンしてみましたが、状況は改善しませんでした。
■診断/復旧結果: ファイルシステムに異常がありました。当社での論理的な復旧作業により、データは無事に復旧しました。
復旧ソフトが対応していないタイプの異常の場合、試みても復旧は不可能です。原因が不明の場合は、プロの診断を受けることが確実な方法です。
復元ソフトの使用後に当社へ相談されるお客様は少なくありません。復元ソフトの使用が原因でデータがさらに復元不可能な状態に悪化することや、状況の悪化が原因で復旧費用が増加する可能性があるため、注意が必要です。
大切なデータを最も安全に復旧させるためには、まずデータ復旧の専門家に相談し、正確な診断を受けた上で判断することをおすすめします。
確実にデータ復旧を行う場合はデータ復旧の専門家まで相談する
データ復旧のプロはファイル構造を解析し、バイナリデータを修復して復元します。データ消失のリスクを最小限に抑え、確実にデータを取り出すためにも、自己診断や修復を試みず、速やかに専門家に相談することが重要です。
私たちデジタルデータリカバリーでは破損したファイル構造を解析し、バイナリデータを修復して復元します。これにより、復元ソフトで対応できない物理障害や重度の論理障害からデータを復元でき、正確な初期診断で故障原因の特定が可能です
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、当社では経験豊富な技術者が41万件以上の相談経験(算出期間:2011年1月1日~)をもとに「初期診断」を行い、障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
機器別エンジニアによる、無料の初期診断も行っていますので、お気軽にご相談ください。365日24時間体制で電話受付を行っており、今後の対応方法を無料でご案内いたします。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
営業時間は以下の通りになっております。
土日祝日問わず、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。